今朝も快晴のラスベガス。GRCの二日目で、昨日と同様に朝から会場へ。
今朝のキーノートはセキュリティやガバナンスにおける「人」「プロセス」「技術」の関係、バランスについて。いくつか印象に残っている内容を挙げると、「プロセスは人と技術の接着剤のようなものである」「ポリシーに関する伝統的な考え方(トップダウンで決める、守らせるために罰則を設ける)といった考え方も最近では、ポリシーは関係者の意見を集約して決めたり、罰則よりもむしろ、良い行いに対して報償するというような考え方に変わってきている」とか、「デジタルトランスフォーメーションは、縦割り組織では決して成功しない」「多様性の維持が組織の成功の鍵である」といった耳の痛い話など。昨日のAIの話もそうなのだけど、世界の流れは、どんどん日本(人)が苦手な方向に進んでいるようだ。と言うよりむしろ、世界の変化に日本がまったくついて行けてないということなのだろう。ちなみに、デジタルトランスフォーメーションをDXと略すような表現はこちらではまったく聞かない。これも日本固有の方言だろうか。そっちのほうがバズワードとして使いやすいからだろうか・・・。DXを連呼しながら、その本質というか、それが出てきた背景をほとんど理解せず、単にIT投資の促進のことだと思っている輩が少なくないようにもおもえる。デジタルトランスフォーメーションは、ITをベースに従来からのビジネスプロセスを根本的に変えることで時代の変化に効率よく対応できるようにしようということなのだと思うのだが、マイナカードのドタバタを見ても本質を理解できていないことがよくわかる。先日も、某医療機関でマイナ保険証を使ったときに、更新された保険証の有効期限が管理ソフトで取得できないという問題に遭遇した。確かにマイナポータルで見ても保険証の有効期限は表示されず、その時点で有効であることしかわからない。そもそもリアルタイムの資格確認ができるマイナ保険証に「有効期限」が必要かというと不要なようにも思うのだが、そういう仕様なのだとしたら、医療機関のシステムや管理ソフトウエアとの間で仕様のミスマッチが発生していることになる。マイナカード、マイナ保険証を作る側と、従来からの自治体や保険組合の業務、管理ソフトベンダーのそれぞれがうまくかみ合っていない、まさに縦割りというか付け焼き刃の極みだ。いくら役人や政治家が「先進国」であるエストニアなどを視察にいっても、電子化された枝葉の部分だけ見て、その根本にあるプロセスの変化など気にもかけないか、もしくは見て見ぬ振りをしているだけなら、出張費の無駄遣いだろう。国民としては情けない限りである。
ついつい愚痴が出てしまうような話を今日も聞いて、ちょっと暗くなってしまうのだが、それ以外に聴いたセッションはちょっとハズレが多かった。面白かったのは最後に聞いた未来予想の方法論についての話。未来学とでもいうのか、将来、世の中がどのように変化していくのかを予測するためのアプローチが体系化されているのは興味深かった。米国の新興企業が、こうした考え方をもとに将来予測(もしくはそれに基づいて将来、自分たちが主流になる)シナリオを考え、戦略をたてているのだとすれば、なかなか手強いなと思うのである。それ以外には、SEC(米国の証券取引委員会)が、上場企業に対してサイバーセキュリティに関する開示を義務づけている話などが興味深かった。こうした流れは日本にも確実に入ってくるのだが、その時に日本の政府や企業がどのように動くのか、これもちょっと不安要素である。
そんなこんなで気がつけばもう夕方。実は、昨夜睡眠不足だったこともあり、今日の昼前のセッションをひとつパスして、ホテルに戻って午後のセッションまでの間一眠りしたのだけれど、そのせいで、会場とホテルを2往復した結果、この時点で既に歩数が軽く1万歩を越えてしまった。夕方に一件オンライン打ち合わせをこなし、そのあと食事にでかける。
ラスベガス到着当日、塊肉を食って胃もたれしたのだけれど、そのせいかちょっと元気が出たので、もう一度肉を食うことにした。今回は控えめにフィレ(9oz)である。
やはり、たまには喰わないと気合が入らない。日本にいるときは、なかなか肉を食わないのだが、たまには喰わないといかんなと思った次第。
飯の後ホテルに戻って、もう一つオンライン打ち合わせ。オンライン主流になってから、どこへ行ってもこのパターンである。さて、明日はGRCの最終日でセッションは午前で終わり。午後はまたどこかに行って見ようかと思うのだが、暑さとの相談である。明後日は早朝にベガスを発つ予定なので、どこかへ行くなら明日の昼間(夜はまた打ち合わせがあるので・・・)なのだが・・・。まぁ、明日考えようかと。
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