実家から帰って、あっという間に過ぎてしまった一週間。気がつけば、季節も世の中も大きく変わっている。
帰ってきた翌日、火曜日には、とうとう緊急事態宣言発令。しかし、7都府県限定で、しかも対応は自治体に丸投げという中途半端。100兆超えの予算措置も、条件きつきつで見かけ倒しの支援策やら、アベノマスクと揶揄される全家庭へのマスク配布など、なにやら訳分からん対応。国の財政的支援なしでの営業自粛要請には、東京共和国を除き及び腰にならざるを得ないのもうなずける。結局、割を食うのは中小事業者とそれらに雇用されている人や派遣な人たちである。
そんな中、そろそろ散り始めたソメイヨシノにかわって、サトザクラが濃いピンクの花をつけはじめている。いよいよ春本番・・・なのだが、そんなウキウキ感など、コロナ騒ぎで吹き飛んでしまったのが寂しい。
木曜日は診察のために、いつもの都内の病院へ。電車にはあまり乗りたくなかったから、とりあえず車で往復。ついでに、少し運動がてら歩いて見る。
人気の無い道に赤い夕日が沈んでいく。緊急事態宣言の余波で、各自治体は右往左往している。唯一ぶれていない東京を除き、神奈川は一転して休業要請で東京追従。埼玉も検討中で、千葉はと言えば様子見中・・・。医療逼迫を指摘されて知事がキレた愛知県も豹変して緊急事態対象入りを懇願・・・結構カオスである。これも国が煮え切らないからか・・。法律面の制約があるのはわかるが、あまりに杓子定規な対応と言わざるを得ないだろう。108億円対策の中身が問われる事態である。状況が日々悪化している米国では、トランプがWHOに八つ当たりである。世界的な政治家の質の劣化は危機的だ。
そうしている間にも、サトザクラがどんどん開花して、華やかな感じになっていく道沿い。
そろそろツツジも咲き始めている。
週末にかけて、天気は下り坂。日曜は朝から雲の多い一日。
そろそろこの銀杏も葉をつけはじめている。
土日は、とりあえず頑張って散歩。自宅ごもりが続いているのでちょっと体重がやばいことになりはじめている。
そんな人様のドタバタなどどこ吹く風の猫たち。しかし、犬猫もコロナとは無縁ではいられないらしい。トラやライオンの感染も発覚している。
日曜の公園は、それなりに人が出ている。毎日閉じこもりっぱなしでは、ストレスもたまるから、密集さえしなければ、外に出て身体を動かすのも悪くない。
そんな感じの週末。先週、連日感染者が100人を越え、200人に迫ろうかという東京。医療機関での院内感染があいついで、不安がつのる。全国的にも病院での、しかも中核病院での院内感染が発覚して、今後、感染者が増加した際、状況のさらなる悪化も懸念される。休業要請に二の足を踏んでいた埼玉、千葉も、とりあえず休業要請に踏み切るようだ。東京の新規感染者数は週末にかけて減少傾向だが、これは検査が減っているからにほかならない。先週も火曜日辺りからまた増加に転じている。介護施設での感染も報告され始めた。結果として介護施設の閉鎖という事態で、保育所同様に、高齢者をかかえる家族の負担も大きくなっている。母がいる施設は3月下旬から予防的な面会停止に入っているので、実家に帰っても会いに行くことができない。電話はあいかわらず日に数度かかってくるが、記憶や認識の混乱は、あいかわらずである。気になるのは、このところ不安や悲しみを訴えることが多くなったことだ。なんとか気持を落ち着かせるような話し方を試行錯誤しているが根は深そうである。
そんな折り、知り合いの精神科医と話をする機会があった。彼いわく、(アルツハイマー型の)認知症は「忘れる病気」だと思っている人が多いけれど、実は「忘れられない病気」でもあるとのこと。古い記憶、特に辛いことや悲しいこと、不安といった記憶は忘れることが難しい。多くの場合、それ以降の経験や記憶に埋もれて、表面化しなくなっているだけだ。それが、認知症による、より新しい記憶の欠落や時系列の混乱で、昨日のことのように思い出されてしまうのだという。結果的にネガティブな記憶が大半を占めるようになると、本人は不安や悲しみなどに苛まれ続けることになるのだそうだ。押さえつけていた心の闇が表に出てくる、これは想像するだけで恐ろしいものである。
そんな状況で、少しでも心の安らぎが得られるとしたら、家族との会話だろうから、とりあえず時間があるときは出来るだけ電話を受けて話を聞いてあげるといいよとのこと。忙しい時はそう言えばいいし、少しくらい突き放す感じでもかまわない。とにかく毎回でなくてもいいから、電話を取って話をすることで、本人は多少なりとも落ち着くし、施設のスタッフにとっても大きな助けになるという。なかなか厳しい時期なのだが、せめて電話での繋がりは保っておこうと思った次第だ。
さて、日曜は夜から雨。明けて今日は風雨共に強くなって、昼にちょっと郵便局とスーパーに行って来たら、下半身と背中がびしょ濡れになってしまった。テレワーク、外出自粛要請にもかかわらず、通勤者はいまだに半減したくらいで、政府が言う7割削減にはほど遠いようだ。休日の都心は閑散としているが、地元の商店街やスーパーは逆に混雑気味だという。どこかアンバランスな、というか中途半端な対応・・・。さて、この自宅ごもりはいつまで続くのか・・・。
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