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自動車、家電再訪@CES

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ちょっと不安定そうな空模様の今朝。現地調達した風邪薬のおかげで、状態はだいぶ改善。まぁ、無理は禁物なので、朝はホテルの部屋でゆっくりと過ごす。

11時前にホテルを出て、とりあえず、まだ行っていないAriaの会場へ向かう。ここはコンテンツ系の展示会場らしい。

表通りからちょっと入った所にあるAria、なおかつコンベンションセンターは例によってカジノの奥の奥・・・。頑張って歩いて着いてみたらば、この会場は昨日までとのこと。確認しなかった私が悪いのだが、くたびれもうけで損した気分になった。気を取り直して、とりあえず、はす向かいのPalis/Ballys側のモノレール駅へ向かってモノレールでコンベンションセンターのメイン会場へ戻ることにした。北側のWestGateホテルの会場をまだ見ていなかったので、とりあえず行ってみたのだが、ここは中国系や台湾系企業の屋台村になっていて、なんとなく昔の秋葉原電気街を思わせる雰囲気。

小さなベンチャーが軒を並べていて、人通りは少なく閑散といている。まぁ、お国の肝いりで出展しているのだろうが、様々な企業があって、技術面でもサプライチェインの面でも、層の厚さは感じさせる。人口の母数が多い國だけに、あなどりがたい感じがするのである。

それから、コンベンションセンターの北ホールに移動して、自動車関連のブースをもう一度まわってみる。最終日の午後とあって、人も少なめで、展示をじっくりと見ることができた。

一昨日にのぞいたフォードの車の後をもう一度、じっくりと見てみた。左側のコンピュータとおぼしきケースにはGPU1, GPU2などと書かれていて、深層学習のAIエンジン搭載をうかがわせる。中身はやはりNVIDIAだろうか。下は、自動運転技術に特化した企業の展示だが、模型の車を制御するのに、やはりNVIDIAのPX2を使っていた。

一昨日は混雑していて、ゆっくり見られなかったトヨタのコンセプトカー展示。「自動車愛」がテーマの中身は、AIによるアシスタント機能である。

ドライバーの感情やら状態をAIが読み取って、うまく先回りしていろんな提案をする。たとえば、娘を送って、別れたあと、ちょっと落ち込んでいるパパを音楽や会話で励ますとか、後部座席に乗った娘がワガママを言いだし、運転しているパパが困っていると、「自動運転に切り替えようか?」と提案するなど。YUIと呼ばれるAIは、このデモビデオを見ている限り、極めて人間的だ。これがトヨタの近未来の車のコンセプトということなのだろう。単なる道具ではなくパートナー的な位置づけである。自動運転の普及により、車を所有する意味が薄れてくる近未来に対するトヨタの戦略の一端を見た気がする。

こちらは日産のコンセプトカー。やはり自動運転車で、ユーザーフレンドリーな感じの車である。

それから、センターホールに移動して家電系をもう一度見て回った。特に、韓国、中国あたりの動向を中心に見る。サムスンやLGは大きなブースを構えて、総合的な展示をしている。特に、スマートホームのコンセプトでの、家電IoTには力が入っている。

この冷蔵庫の画面は様々な情報にアクセスできる。料理に必要な情報や冷蔵庫の在庫情報だけでなく、テレビ画面も表示でき、気になる番組をキッチンでみながら・・・・という感じだ。ホワイトボードにメモも書き込める。

在庫画面には、どこにいつ買った商品があるか、賞味期限はいつかなどの情報が表示される。これが、スーパーなんかと連携して、バーコードやRFIDタグなどから情報を読み込めるようになると便利だろう。

サムスン、LGともに、4Kテレビは、さらに進化している。LGは、いまや有機LED(OLED)パネルの筆頭メーカーであり、ソニーすらパネルの供給を受けている。一方、サムスンはQLEDという「量子ドット」技術を使ったテレビを今回展示していた。量子ドットは、原子数十個程度のナノサイズの結晶が、そのサイズを調整することで様々な波長の光を出せる(受けた光の波長を変える)という原理を使っていて、LEDでは難しいRGBの正確な波長の光を作り出すことができるのである。最初、QLEDテレビもOLEDのように自身で発行する素子を使っているのかと思ったのだが、色んな情報を総合してみると、まだその域には到達できておらず、バックライトのLED照明として使用した液晶テレビらしい。もちろん、明るさや色の鮮やかさは従来の白色LEDベースの液晶に比べて大きく改善するが、それをQLEDテレビと呼んでしまうことには、ちょっと疑問も感じるのである。実際、自己発光するQLEDテレビの実用化にはまだ5年はかかるだろうというのが専門家の見方らしい。

私の業界でも何かと話題になるファーウェイもそこそこ大きなブースを構えている。スマホなどの展示が主だが、Amazon AlexaベースのIoT制御をスマホでやるデモやVRのコーナーもあった。

まぁ、国のありかたと、文化の違いが、いまのところこの国のメーカーにとっては大きなネックなのだが、値段だけでなく、技術も着実につけてきているところが油断できない。IoTもそうだが、ARやVRが不可欠な世の中になったときに、その信頼性が根幹から揺らぐと大変なことになるなと思うのである。一方、戦争でも起きない限りは、経済原理に縛られるから、めったなことは出来ないだろうという楽観論もある。もちろん国(の機関)が信用できるかという問題は、(米国や我が国も含めて)他の多くの国でも存在するのだから、本当に何か起きたらまずい物については、そういう前提で考えるしかないのだろう。

さて、我が国のメーカーは・・・とソニーのブースを覗いてみる。なんとカメラ(α)関連の展示がかなり幅をきかせていた。撮影教室や相談コーナーなども。中央には4Kテレビ、人気を集めていたのは、やはりプレイステーションのVRゲームである。韓国系と続けてみると、before/afterな感じがした。

4KテレビはいまやLG製のOLEDパネルなのだが、4Kともなると、画像処理技術で見栄えが大きく変わってくる。少なくとも、そのあたりでは我が国のメーカーも頑張っている・・・と思いたいところだ。家電業界もいまやハードからソフトに売りどころが変わってきている印象である。

チップメーカーでは、NVIDIAにAI関連のお株を奪われているインテル、こちらも自動運転などのコンセプト展示に力を入れていた。

さて、そんな感じで回っていたら、そろそろ店じまいを始めるブースも出てきたので、私も会場を後にすることにした。

またバスでホテルに帰って、ちょっと一休み。歩き疲れたせいか、またちょっと風邪が悪化。鼻水がひどくなる。

結局、日が暮れるまで休んで、それからホテル内で飯を食うことにした。出歩かないかわりにタワーに上って夜景などをしばらく眺める。

さて、明日は9時前の飛行機でラスベガスを離れるので、ちょっと早起きしないといけない。これからざっと荷造りをして、すぐに出られるようにしておこう。

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このページは、風見鶏が2017年1月 9日 16:19に書いた記事です。

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