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ID&IT 2016

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今日はこのイベントでちょっとお話をしてきた。

参加するのは今年で3年目。毎回IoT系の話をしているのだが、今年もその流れで、IoTにおけるID管理の課題などについてお話ししたのは、昨日書いたとおおりである。実は、自分のセッションの時間を間違えるというヘマをやってしまい、危うく遅れるところだったという話。到着したらもうセッション前の休憩時間。慌てて、PCを立ち上げそのまま演壇に上がるという際どい状態で、なんとかセーフ。いや、気の緩みには気をつけよう。

毎回、最後のクロージングキーノートはNRIの崎村氏なのだが、今日の話も面白かった。西用と変法・・・、かつて清朝は、西洋の技術や学問を取り入れて軍事、経済で発展したが、旧態依然たる体制、官僚組織を残したまま、これらを取り入れたので、長続きせず、結果、日清戦争で日本に敗れ、欧米にも好き勝手されて滅亡してしまった。一方、日本は明治維新で体制を根本的に変え、洋風の文化に会うような形に変えて成功した。前者が西用、後者が変法だというのである。もちろん、日本でこれが出来たのは、伊藤博文など、欧米の文化を体感して危機感を持った人たちの先見の明であり、その後、日本も破滅へと突き進むことになるのだが、少なくとも江戸時代とは完全に一線を画した国になった。これも話に出ていたのだが、江戸時代に実は「藩」というものはなく、「國」だったという話。「藩」は明治になって、旧来の支配体制を崩し、国家を統一するために「國」を一旦「藩」と置き換えたのだそうだ。つまり、「藩」とすることで、それらを日本国の支配下に置き、その後、廃藩置県で中央集権化するという動きである。正直、これは知らなかった。崎村氏は、今の日本が、とりわけITの活用において、「使う」ことしか考えず、たとえば仕事のやりかたをITを使って最も効率が上がるやりかたに変えていくという発想が欠落している点で「西用」に陥っていると言いたかったようだ。これは全く同感。昨日書いたバズワード化の話がまさにそれだ。結局、新しいITや技術がどのようなニーズから生まれ、どのような使い方をするために生まれてきたのかという本質を見ずに、現状を変えずに「使う」ことしか考えないから、そうなってしまうのである。バブル前、世界最高水準だった日本のGDPや生産性はいまや、先進国の最下位レベルを争っている。欧米諸国が、それまでのやり方を変えるためにITやインターネットを使いこなした一方で、日本は高度成長期のやり方を捨てきれず、結果として、ITを活用して上がるはずの生産性を十分に引き上げられなかった。20年あまりを経て、その差が数字となって現れたのだ。昨日の話を書きながらモヤモヤしていた部分が、今日の崎村氏の話で完全にクリアになった感じだ。

さて、これで今週の予定はおしまい。明日、実家に戻って週末を過ごし、週明けからちょっと休暇をいただく。仕事は持っていかないようにして、遊びに集中したいのだが、もしかしたら少し持ち込むことになるかもしれない・・。なるべく、この週末のうちに実家で片付けたいところなのだが・・・。天気も悪そうだから、仕事が進めばいいなと思っている。

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このページは、風見鶏が2016年9月16日 22:45に書いた記事です。

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