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人生一巡(還暦)

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60年に一回の丙申(ひのえ・さる)1月7日、前回の丙申にこの世に生を受け、いつしか60年の歳月が経過した今日。めでたく私も「還暦」とあいなった次第。小寒、寒の入りを過ぎても、まだ暖かい春の陽気の今日が誕生日である。

思えば遠くへ来たものだ。時間を距離に換算すれば、すでに60光年の彼方まで時空を来たことになるのだが、さておき、そうした実感はあまりわいてこない。祖父が還暦を迎えた時は、赤いちゃんちゃんこを贈って祝った記憶もあるのだが、その3年後に祖母、そして翌年に祖父も他界したことを考えれば、当時はそろそろ人生も締めくくりの歳だったのだろう。一方で現在は、幸か不幸か「還暦」は人生の単なる通過点に過ぎなくなっている。平均寿命が90歳に届こうかという時代である。そういう意味では人生をまだ三分の一ほど残している状態だ。まぁ、ひとつの区切りとしてこれまでの人生を総括して、一度あれこれリセットしてみても面白いかもしれない。

たまたまそんな日に、某協会が新年会をかねたLT(ライトニングトーク)大会を開いたので、ちょうどいいから、そういう話をしてみた。会場は上のビルである。ちなみに、これはトリビアになるが、干支は、十干、つまり甲乙丙丁戊己庚辛壬癸(きのえ・きのと・ひのえ・ひのと・つちのえ・つちのと・かのえ・かのと・みずのえ・みずのと と読む)と十二支(子、丑、寅、卯、辰、巳、午、未、申、酉、戌、亥)からなる。十干の意味は、木(兄弟)、火(兄弟)、土(兄弟)、金(兄弟)、水(兄弟)という、今風に言えばエレメント属性で、それぞれの属性に「兄=え」「弟=と」があるので10種類になっている。甲=木の兄=きのえ というわけだ。一方、十二支はご存じのとおり動物シリーズで、今年は申(さる)年である。12年はおおむね木星の天球上での周期と関連しているそうだ。ちなみに、今年の干は丙(ひのえ)となる。干支は十干と十二支の組み合わせだが、干と支は独立した周期で、それぞれ並行して10年と12年でまわっている。周期がどちらも偶数のため、すべての組み合わせができるわけではなく、それぞれ奇数番に対して奇数番、偶数番に対しては偶数番の干支の組み合わせしか存在しない。組み合わせの周期は、10と12の最小公倍数となる60年、つまりこれが「還暦」であり、同じ干支が戻ってくる周期なのである。

そんな話をまくらに、60年を総括してみたのだが、それを7分間に詰め込むなどどだい無理がある。かなり時間オーバーになってしまった次第だ。言いたかったのは、まだまだ現役で居続けるぞという話と、どんどん新しいことにチャレンジしていくぞという話である。歳を食ってから同じ事ばかりをやっていては、若い人たちには勝てないばかりか「老害」になりかねない。ある程度極めたら次に行く・・・。これまでもそうしてきたし、これからもそうしたい。サイバーセキュリティは自分のライフワークなのだが、その範囲は極めて広い。違った切り口や、新しい技術をどんどん取り込んで行きたいのである。そうしている限りは、自分の歳を変に意識する必要もないし、後から伸びてくる人たちの障害になることもないだろう。でも、後輩たちにとっては、追いついたと思ったら、もう別のところで先に進んでいるという意味で、厄介な先輩であり続けたいと思っている。歳を食うと頑固になるといわれるが、それは、考えをうまく整理できなくなるからにほかならない。常に、頭を整理しておくことができれば、スクルージ症候群(童話:クリスマスキャロルに出てくる偏屈爺から私がつけた名前)に陥らずにすむだろう。

LT大会終了後、会場を提供してくれた某社のカフェテリアで懇親会。さすが、虎ノ門ヒルズからの夜景はすばらしい。

ワインが美味しかったので結構酔っ払って、8時半頃にお開きとなり、新橋まで歩いて帰ってきた。

明日からいつもの仕事が戻ってくるのだが、今年は何かこれまで頭の中に描いてきたことを具体化してみたいなと思っている。アイデアはいろいろあるのだが、どれをやるかはもう少し考えてみよう。

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このページは、風見鶏が2016年1月 7日 22:29に書いた記事です。

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