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この国(アメリカ)の強さ・・

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ASIS/ISC2 Congressも今日で3日目。あいかわらず、体内時計の浮遊状態に苦しんでいる。今朝は6時過ぎに起床。熟睡感はあまりない。この景色は7時過ぎなので、夜明けの遅さがよくわかる。

そう言えば、今日から10月。日本は少し早めに10月突入しているわけだが、日本経済上期の締めが気になるところだ。株価は円安につられて上がっているようだが、巷では経済効果への疑問も多い。輸出企業は長く続いた円高の間に、海外生産を加速させている。かつてのように、円安で輸出が活性化するという構図が書きにくい上に、資源、食料などを輸入に依存する日本は、円安で出費がかさむ。株高も、単に、円安=株高というステレオタイプな投資家の挙動を反映しただけに過ぎないのかもしれない。いずれは現実に目覚めることになるのだろう。国の政策も早めの方向修正が必要だ。

さて、今朝のキーノートは、日本でも顔が売れているこの人。

コリン・パウエル氏、大統領補佐官、統合参謀本部議長、国務長官などの要職を歴任した、軍人かつ政治家である。共和党にありながら、大統領選挙でオバマ支持に回った話は有名だが、なにかときな臭い共和党のネオコンとは一線を画した政治家である。意外にもやわらかい語り口で、ジョークを交えて会場を笑わせながらの講演は印象深いものだった。

最初に彼が強調したのは、「セキュリティはバランス」ということだ。お堅い軍人のイメージがあったので、意外だったが、9.11以降、テロ対策のために強化された様々なセキュリティがもたらした弊害について述べ、安全と生活や経済のバランスをうまく取ることが重要だと述べている。彼いわく、当時、彼はこうした保安強化の弊害について、様々なクレームを受ける立場にあったそうだが、ある外国首脳の足が不自由な夫人を空港のセキュリティチェックで車いすから無理矢理立たせて調べたとか、とあるアジアの王族の娘が米国留学の際、3日早く到着したことを理由に入国を拒否して送り返したとか、現場の杓子定規な対応が多くみられたという。彼自身も、何度か空港のセキュリティで係ともめたことがあったそうだ。たとえば、留学について言えば、いまやヨーロッパの大学などとの競争も激しい中で、こうした対応によって米国の大学が競争で不利になってしまっては困ると彼は言う。テロリストの入国を恐れるあまりに、入国審査を厳しくすれば、アメリカに夢を持ってやってくる人たちをも阻害してしまうことになる。結果として、アメリカにやってくるのはテロリストだけ、ということになっては困るだろうというのである。最近始まった、TSA Pre check制度は、事前審査にパスした人に対する空港でのセキュリティ検査を簡素化しようというもので、私も恩恵にあずかっている。これなども、こうした反省から出来た制度なのだそうだ。もちろん、それによって多少は好ましくない人間が通過してしまう可能性も増えるが、それは別の方法で見つけ出せばいい。様々な監視もそのひとつだが、彼は、こうした監視には透明性が必要だという。監視する側に不正がないことを保証するのと同時に、監視を透明化することで、抑止力を強化することもできると考えているようだ。アメリカは歴史的に、「アメリカ人」になりたい人や「アメリカで働きたい人」を多く受け入れてきたし、それが、多様性を生み、競争力の源泉になってきた。こうしたアメリカの本質的な部分を損なうような対応をしてはいけないと彼は言いたいのだと思う。様々な人種、思想、宗教が入り交じったアメリカでは、こうした違いをうまく乗り越えていくことが重要だ。彼が引き合いに題したのは、独立、建国当時、フィラデルフィアで憲法が起草された時のことである。立場の違うリーダーが、それを乗り越えて協調できたからこそ、あの憲法が生まれ、それを基調として、今のアメリカがあるのだと彼は言う。大統領選を控えて、きな臭くなりつつある政治の世界に苦言を呈したというところだろうか。最近では、個人的にリーダーシップの育成に注力しているという彼だが、なぜ、この国が強いのかを知っているから、それを維持するために注力できるのだろうと思う。

さて、今日のセッションでは、「インシデント対応チームのためのマルウエア解析(入門)」というような話を聞いた。マルウエア解析というと、高度に専門的なイメージがあって、日本では対策ベンダや一部の専門企業の領域なのだが、どうやら、そろそろ自前である程度できるようにしておこうという動きが出てきたようである。標的型の攻撃が増加しつつある現在、感染疑い事例は増加しているから、いちいちそれらを専門企業に委ねていると時間も金もかかる・・ということなのかもしれない。まぁ、なかなか日本の企業では難しいところだが、セキュリティを自分の問題として考えていけば、自然と出てくる流れなのだと思う。

もうひとつ、今日も医療機器のリスクアセスメントについての話を聞いた。

最初に強調されたのが、CIAの位置づけ。セキュリティ屋さんは、どうしてもC(機密性)に重点をおきがちだが、医療機器の場合、I(完全性)とA(可用性)は、場合によっては患者の命に直結することを忘れてはいけないと言う点。医療機器の場合は、こちらがクリティカルである。たとえば、センサー類であっても、そこからの情報を改ざんされれば、重要な医療上の判断を誤ることもあるだろう。治療用の機器などは、停止すれば命に関わることも多い。一方、機密性については、プライバシーの問題や、コンプライアンス(米国ではHIPPAなど)問題を引き起こすので、医療機関のビジネスにとっては重要な問題となる。米国ではFDAなどが、ネットワーク化された医療機器についてのガイドラインなどを出している。リスク評価のためのテンプレートなどもあって、製造側、利用側ともに、これらをどう使っていくかが考えどころのようだ。

今日も帰ってから寝てしまい、遲遅に起き出してあれこれやっている。いまいち腹も減っていなかったので、晩飯をパスしたら、この時間になってちょっと腹が減ってきた。もう店は全部閉まっているので我慢するしかなさそうだ。とりあえず、そろそろまた寝てしまおう。さて、明日は最終日。昼でイベントは終わるので、午後から少し街を歩いてみようかと思っている。

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このページは、風見鶏が2014年10月 2日 12:17に書いた記事です。

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