今日も曇り空ながら雨は降らず・・・・。午前中ちょっと資料作りなどして、昼に都内へ出かける。今日はこんな催し。
数年前、ひょんなことから、この集まりでお話をさせてもらった縁で、その後、個人で参加している。IT系の勉強会なのだが、いろいろな人たちがいて面白い。今日は年次総会の後、IoTをテーマにした勉強会。ベンダやシンクタンク系の講演を聴く。世の中的には、IoTはビッグデータと絡めての議論も多い。実際、多数のデバイスから集めたデータを統計処理して、マーケティングやビジネスの効率化に結びつけようという動きがある。しかし、エクサバイトを通り越してゼッタバイトレベルの話になると、かなり危険な香りがする。この規模のデータを処理する能力があるのは世界でも一握りの事業者だが、こうしたデータの寡占化によって、情報も寡占化が進むのではないかという懸念がある。またIoTが、社会に対してなんらかの影響力を持つ可能性を考えれば、ある種のフィードバックループを作ることも可能だ。つまり、たとえば、単純な例を挙げると、世界各地のデジタルサイネージで流した広告の効果を、SNSなどの情報をリアルタイムに集めて分析するようなことである。これは、結構恐ろしい可能性を内包している。何百万台ものデバイスが人になんらかの影響を与え、その効果をリアルタイムに計測できるということは、なんらかの意図を持って社会を操作できる可能性を示唆する。同時に、情報伝達の高速化が思わぬ弊害を引き起こす可能性もある。少し前までは、情報発信からその効果測定までの時間は何日というレベルだった。しかし、いまはもう数時間以下に短縮できる。それどころか、場合によってはほぼリアルタイムな計測が可能だ。その計測結果をもとに、さらに情報発信を重ねれば、高速な情報のフィードバックループができあがる。これが何を起こす可能性を持つかは、証券取引の高速化がもたらした市場の異常変動を見れば明らかだろう。桁は数桁ちがうが、以前と比較しての高速化の度合いは似たようなものだ。もしかしたら、想定できない社会現象を引き起こすことがあるかもしれない。それが意図的なものか、まったく想定外のものかにかかわらず、社会に重大な影響を与える可能性がある。今日の話を聞きながら、ずっとそんなことを妄想していた。情報伝達や処理のスピードが想定を大きく上回って向上し、それらが一部の手に握られてしまった時に何が起きるのか・・・・。SFに登場するような世界が目前まで来ているのかもしれない。情報技術の面だけでなく、社会学的な考察が早急に必要かもしれないなと思う次第だ。
前にも書いたが、時々、本業を離れて、違う畑の話を聞くことは大事だと思う。また違った発想が得られるからだ。こうした機会は貴重である。いつもなら、このあと懇親会に出るのだが、今日はちょっと早く帰宅したかったので、そのまま帰ってきた。
最近、世界のあちこちで「タガ」が外れつつあるような気がする。それに、情報の氾濫や想定外のループが影響を与えている可能性も否定できないのではないか・・・。考えれば考えるほど、疑心暗鬼になってくるのだが・・・・。ともあれ、今週はちょっと忙しい。明日は朝から都内放浪予定。まぁ、世の中、なるようにしかならんのだが・・・・。
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