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イベント最終日

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今日がCongressの最終日。午前中に3セッション、パネルと講演がある。昨日は寝まくったので、体調は悪くない。

いつものようにバスで会場へ。乗客が少ないのは、展示会が昨日で終わったので、関係者がいなくなったからだろうか。今朝は市内に入ってから中華街を抜けて会場へ行くコース。フィラデルフィアの中華街は結構大きい。入口のあたりのこんな像が建っている。

例によってちょっと遅刻したので、最初のパネルは後半のみ。このイベントのテーマである、伝統的「セキュリティ」と「情報セキュリティ」の融合がテーマのディスカッション。思うに、統合の必要性を強く感じているのは、物理セキュリティが中心の伝統的なセキュリティの側のようだ。展示会を見てもわかるように、物理セキュリティの世界にも深くITが入り込んでいる上、官民問わず安全保障上もサイバースペースを無視できなくなっている。たとえば、監視カメラのシステムが犯罪者によってハッキングされ、映像が改ざんされるというようなことも、現在では十分考えられるだろう。しかし、米国にあっても、この二者のあいだのギャップは、まだまだ大きいようだ。「リスク」という言葉ひとつとっても、とらえ方が微妙に異なるようで、こうした言葉の問題も議論になっていた。ASISは、どちらかといえば、伝統的な物理セキュリティとそのマネジメントを中心にした団体、一方(ISC)2は、情報システムセキュリティの団体である。規模は前者のほうが遙かに大きいし、歴史も長い。この2団体がイベントを共催することには、大きな意味がありそうだが、今回のイベントを通じて、まだまだ「統合」の道筋は長いように思えた。しかし、これは必要なことであり、同様の動きがいずれ日本でも起きてくるのだろうと思う。その時に我々が感じる困難は、米国の比ではないかもしれないが・・・・。

次の講演は、米国の元人気ニュースキャスターでジャーナリストのChris Wallace氏。氏はABC, NBC,そしてFOXなどのニュースキャスターを長年つとめて、視聴者の人気を集めた人。テーマは今回の大統領選挙とホワイトハウスの動きについて。当初、ロムニー氏有利と伝えられた米国大統領選だが、ここに来てオバマ氏が世論調査で優位に立っている。ただ、どちらも決め手がなく、オバマ氏が支持を伸ばしている背景には、いまだ根強いブッシュ政権(つまり共和党政権)への批判があるのだという。経済や、失業問題で成果を上げられなかったオバマ政権だが、こうした問題の根はその前のブッシュ政権時代にあるという見方である。いまだ重荷になっている中東問題も影を落としている。Wallace氏は、綱引きはまだ続くだろうと予想する。これから4回のテレビ討論会(大統領候補と副大統領候補によるもの)が予定されており、その内容次第ではまだ支持率は変わりそうだ。ジャーナリストで複数のメディアで働いた彼が言うには、米国のメディアにもそれぞれ色があるらしい。たとえば、FOXはかなり保守的な論調で知られている。大統領選での、こうしたメディアの影響も注視しなければいけない。テレビを見ているようなマシンガントーク(正直なところ聞きとるのは容易ではない・・)で、聴衆を時々笑わせながらも、きわめてバランスよく政治を語るWallace氏に、米国ジャーナリストの姿を見た。

次のセッションは、SNSをテーマにした危機管理の話。アラブの春の原動力はSNSだった。一方、SNSは、アクティビズムと結びついて、時として扇動に使われる。インターネットというメディアを通じて流れる情報は簡単に制御できない。昨年、フィラデルフィアでも活動家の扇動による大規模な占拠事件が発生した。その際の、警察、公共機関、民間の連携や、SNSを監視することによるこうした動きの察知と被害予防などがテーマで、なかなか興味深かった。ロビーを占拠されたコムキャストビルのセキュリティ責任者の話がなかなかなまなましかった。この事件の詳細は、こちらにあるが、この時の、ビル側の対応と、警察などとの連携は、なかなか興味深い。今後もSNSはこうした扇動に使われることになるだろうし、そのような動きを、SNSの自由さを損なわないように、どう監視していくかが重要になるのだろうと思う。

そんな感じで午前中は終わって、クロージングのランチ。食べ終えた人から、三々五々の解散となった。シャトルバスの最終は午後2時半で、少し時間があったので、リバティーベルを見に行くことにした。

この独立記念館(Independence Hall)の向かい側に、リバティーベルを展示した建物がある。コンベンションセンターからは歩いて15分~20分といったところ。無料で入れるが、入口で荷物チェックがある。まぁ、これは米国のこうした建物では普通に行われていることだが。

独立戦争の傷跡であるひび割れが残るベルは、アメリカ独立の象徴である。

この展示施設の脇には、市内観光の馬車が並んでいる。この町並みを馬車に揺られて見て回るのも優雅かもしれない。

とりあえず、ぷち観光モードを終了して、マーケットストリートをシティホール方面へ戻る。途中、歩道にこいつがいた。にくったらしい面構えが、いかにもアメリカの猫という感じだ。(笑)

かくして、今日の日記も猫日記になってしまうのだが・・・。この大通りは、フィラデルフィアの目抜き通り。RossやMacy'sなどの百貨店も並ぶ。

通りの突き当たりが、シティーホール。コンベンションセンター側から見て、左側のサイドを見ていることになる。

で、こちらが正面側。

こうして、2時過ぎにコンベンションセンター前に戻ってきて、最終一本前のバスでホテルに戻った。特にすることもないので、昼寝したらもう夕方。まだ、それほど腹も減っていないので、ちょっと表に出て夕日を眺める。

この4日間は、ほんとうにいい天気だった。気温もそれほど高くなく、過ごしやすい感じ。これで日本に戻ったらまた暑いのだろうなと思うと、なんとなく戻りたくなくなってくるのだが・・・。

ということで、今回の渡米も全日程を終了。明日、帰国の途につく。今回は、情報ではないセキュリティの世界に少し触れられたので、なかなか面白かった。少し、こうした統合についてもあれこれ考えてみたいと思う。

さて、いいかげん腹も減ったので、晩飯にしよう。

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このページは、風見鶏が2012年9月14日 08:21に書いた記事です。

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