今朝も快晴のフィラデルフィア。ちょっとゆっくりしすぎて、キーノートには少々遅刻。ホテル前でシャトルバスを待つ間、少し肌寒いくらいの気温。こちらはもう秋の気候だ。
今日は、この国にとっては忌まわしい記憶の日。この日に、この国にいて、セキュリティ(しかも、これは情報セキュリティだけではない「セキュリティ」)のイベントに参加していることを、あれこれ考えてしまう。あの日をきっかけに、この国は中東に戦火を開き、今にいたっている。攻撃と報復の連鎖が不幸や悲劇しか生み出さないということを、この10年が証明しているのに。そういう意味で、今朝のキーノートにこの人が呼ばれたことは意味があったのかもしれないと思う。
メッセージは明確だ。かつて、ヨーロッパは国々が敵対して争いが続いていた。しかし、現在はEUというコミュニティーが出来て、対話で問題を解決できるようになっている。これと同じことが中東でもできるはずだ。たしかに、イラン問題など難しい問題は多い。しかし、それに対して武力を使おうという考えは愚かなことだ。武力は何も生み出さないばかりか、その地域に破壊をもたらす。そのような愚は犯すべきではない。彼はそう言い切った。この日にあって、印象的なスピーチだ。
今日は、マルウエアがらみのセッションを二つと、ベライゾンの情報漏洩調査レポートの解説セッションを聞いた。マルウエアがらみで昨日からの話題は、最近のマルウエアの作られ方の話だ。一日に数千種も亜種が増えると言われているマルウエアも、実際のところはいくつかの主要な開発キットと、難読化ツールの組み合わせに帰結するという話。昨今のマルウエアは、他のソフトウエア同様にフレームワークがあり、各機能はコンポーネント化されている。つまり、簡単に自分が欲しいマルウエアを作る環境が整っているということだ。こうして作られたマルウエアを圧縮や暗号を使って難読化することで、ウイルス対策にひっかからないマルウエアが作れる。同じ開発ツールが使われ、もともとのコードの大部分が類似していても、暗号化や圧縮の操作は、その違いを全体に拡大してしまう。たった1バイトの違いでハッシュがまったく異なる値をとるのと基本的には同じ理屈だ。ベライゾンのレポートで、2010年から2011年の情報漏洩原因のうち、マルウエアとハッキングが大幅に増加しているというのも、こうしたことが影響しているのだろう。
しかし、今日も時差ぼけはなかなかきつかった。午後のセッションでは、やはりちょっと電池切れ。何度か落ちてしまった。一週間の日程だと、結局、時差に慣れた頃に帰ることになってしまう。本当は、集中力がいるコンファレンスの前に何か用事を入れて、慣らしておくのが一番いいのだけど。
そういえば、今日、展示会場で、日本の(ISC)2のK氏にばったり会った。たぶん来ているのだろうと思っていたのだけど、昨日の夜に来て、今日と明日、ミーティングに参加するとのこと。なかなか、こちらもきつい日程だ。
今日もそんな感じで終了。シャトルバスがなくなるので、夜の(ISC)2のレセプションはパスして、最終のシャトルバスでホテルに戻ってきた。
いまいち腹が減っていないのと、眠いので、部屋に帰ってちょっと仮眠。8時頃に起きて、晩飯を食いに下のレストランへ。今日はお昼が肉だったので、メインはサーモンにした。これは結構うまかった。でも、やはりちょっと食い過ぎ。これは、どこかで一食抜いた方がいいかもしれない。
さて、今夜もそろそろ寝よう。明日は3日目。あと1日半、がんばろう。
コメントする