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梅雨模様・・・と情報リテラシー問題

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昨日はちょっと帰りが遅くなってしまったので日記はパス。ちょっと今やってる大学関係のお仕事で、全国から先生方が集まって会合があったので、そのあとの懇親会と二次会。震災後の講義の遅れやボランティア学生の支援などに、ITを使おうというお話で、会社としてもそれを支援しようというお話。なので、損得は抜きだから、逆になかなか面白いことができる。このところやっている作業は実はこれにからんだもの。でも、これは別の所に応用がきくから、あれこれと実験ができるいい機会でもある。懇親会では今の大学の現状やら裏話やら、あれこれ聞きながら結構盛り上がった。こういう雰囲気は楽しい。こういう所に出てくる先生たちは皆さんなかなかパワフルだ。動きも速いし、頭も切れるから気持ちがいい。

それはさておき、一昨日あたりからお天気は下り坂。昨日も朝から曇り。昼間は天気が持ったのは幸い。

朝はいつもどおりの出社、新橋駅前のSLの周囲には花が咲いている。気温はちょっと高め。

会社にはいつもどおり、7時半前に到着。昨日は午後からの会合準備でばたばたしていたので、昼の散歩はなし。従って画像もなし。面白かったけど、結構疲れた一日。二次会まで行ったので、今朝はさすがに寝坊して8時半起床。朝飯を食って、それから洗濯機に洗濯物を放り込んで、しばらく洗剤につけ置き。しばらく止めて浸け置きをすると汚れの落ちがいいので。

昨日、会議室に忘れ物をしたので、とりあえずそれを取りに会社まで車で出かけた。近所のビバホームに車をおいて、会社で忘れ物を回収、それからビバホームに戻ってウッドラックと小物をあれこれ買ってきた。ついでにビバホームの中で昼食。午後2時前に帰宅。今日は朝からずっと雨。そこそこ降っているから、車についた砂ぼこりもきれいに落ちた。(笑)

やはり、昨夜は酒のせいで熟睡できなかったようで、午後は昼寝がいつものように夕方まで・・・。結局、買い物以外はほとんど何もしなかった。買ってきたウッドラックもまだ車に積んだまま。明日は組み立てて設置しよう。

それはそうと、このところの原発事故とか、一昨年の新型インフル騒ぎとか、流される情報をどのようにとらえるかについては考えさせられる。昨日、朝の電車の中でつらつらと考えてみた。

何か重大なイベントがあった場合、その情報の流れをそのソースと伝達経路で考えてみる。たとえば、新型インフルエンザの場合、私が注目していた情報ソースはWHOである。ある意味で最もニュートラルな情報ソースだからだ。これを基準にしてたとえば、日本での情報ソースとなる政府関係機関の発表を見ると、内容に(よく言えば)慎重さが目立つ。一方でメディアのほうはというと、どちらかといえば刺激的だ。この構図は今回の原発事故にも当てはまる。これを「騒動」にしてしまっている政治のほうは無視して、経産省(保安院)と東電、そしてメディアを見ると、同じような特性が見えてくる。

今回、ニュースソースとして、東電、それから原子力保安院という2系統があるのだが、この両者のスタンスは微妙に違う。これは、企業とお役所というスタンスの違いでもあるだろう。だが、いずれも「深刻度」を相対的に低く見せようという意図が見える。そういう意味ではニュートラルとはいいがたい。一方のメディアはいつもどおりだが、三流紙を除けば、多少は控えめだ。パニックを煽ったと言われたくないのだろう。

一般論として、発表や記事の文脈で見てみると違いがよくわかる。たとえば、新型インフルの際のWHOの場合、事実関係を淡々と書いたあとに、その客観的な評価を書き、最後に注意や過度の不安を抑えるような表現が入っていた。流れとしてはきわめてロジカルで読んでいて理解がしやすい。ただ、きちんと全文を読んで流れとして理解することが必要だ。これはそれなりに労力がいる。(英文だったからなおさら・・・・(笑))

一方、当時の厚労省や今回の保安院、東電も一応、同じような流れを作ってはいるが、かなり慎重に(もしかしたら過度に慎重に)言葉を選んでいる感じがする。もちろんパニックを抑えたいという気持ちもあるだろうし、メディアに刺激的な見出しを提供したくないという気持ちもあるだろうと思う。行政サイドはともかく、政治サイドはとりあえず不安打ち消しに躍起だ。文脈的に言えば、そうした表現がどうしても前に来る。「隠した」とは言われたくないので、事実は述べるのだが、あくまでさらりと流す感じだ。よく読み解かないと重要な事実を見落としてしまうかもしれない。このまえ、再臨界の話をちょっと書いたのだが、3月頃の報道や発表資料などを見直してみると、冷却水に中性子を吸収して連鎖反応を抑制するホウ素が注入されていることがわかる。これは原発の制御棒に使われている成分と同じだ。たしかに、そういえばそんな報道があったような記憶もあるが、しばらく忘れていた。つまり、その時点から「再臨界」の可能性に着目して、対策を講じていたということだ。これも理解する上では重要なポイントだ。逆に、既にメルトダウンは想定されていた、ということにもなるのだが。もちろん、その想定と対応があったから「再臨界」などという物騒な事態は避けられたのだが、当時、この言葉は慎重に避けられていたように思う。ただ、その時点で、「可能性はかなり低いがゼロではないので予防策としてホウ素を注入しておく」と、きちんといっておけば、今回の再臨界発言騒動は起きなかったかもしれない。これが前提であれば、注入する水を真水から海水に変えたとしても危険度は変わらない。むしろ、不純物の多い海水のほうが危険度は多少下がるかもしれない。ちなみに、前にも書いたが、水は中性子を減速して、連鎖反応に適した速度にする「減速剤」としての性質を持つ。臨界事故などの場合、水の注入は事態を悪化させることもあるが、今回の場合はすでに水が炉の底に存在しており、ホウ素の注入や、おそらくは熔け落ちた燃料の密集度が低いなどの条件があって臨界には至らなかったと考えられる。こうした一連の流れがきちんと説明されれば不安は解消できるはずなのだが。

今、「隠していた」と騒がれている事柄は、わかった時点で事実と対応策をきちんと発表しておけば、それほど大事にならなくてすんだことが多いのだと思う。今から思えば流れとしてあっても不思議ではないと思われることが多いのだが、ほのめかすだけでは、多くの国民は理解できない。そういう意味で、情報ソースとしてはまずい対応だっただろうと思う。

メディアはといえば、やはりその特性として、どうしても「見出し」に危ない文字が躍りがちだ。記事やニュースとしてインパクトに欠けると、営利企業としてのメディアは競争に勝てない。そこで見出しはどうしても、インパクトの強いキーワードが使われてしまう。記事の中身もそうだ。文脈は、結論めいた部分が先にくる。そのあと、事実があれこれ書かれるので、これも全体を読んでみると、な~んだ、という記事が多くなる。だが、我々は、どうしても見出しや記事の前段が強く印象に残ってしまうから、過度に反応してしまうことになる。

では、受け手である我々はどう考えればいいのだろうか。要は、ニュースソースとその伝えてであるメディアの特性をきちんと理解しておくことだろうと思う。こういう危機的な事態の場合、双方の文脈は逆の構成になることが多い。いずれにも言えることは、全文をきちんと読まないと理解ができないということだ。その上で、双方を比較してみるのがいいだろう。行政にしろ民間にしろ公式発表は文書化されるしネットで参照もできる。これと記事を見比べるのは根気のいる作業だが、暇な休日などにちょっとやってみると、文脈の中に重要な事実が見えてくるかもしれない。ある意味、下手なパズルよりも面白いのではないかと。なんとなく、ソースとメディアの関係が見えてくると、流れてくる情報をより上手に使えるようになる気がするのだ。当然、そういう目をもてれば、デマに対する抵抗力も増すし、パニックも起こしにくくなる。是非、時間のあるときにやってみて欲しい。国民がそうして情報リテラシーを高めれば、行政もメディアも、そして政治家も変わらざるを得なくなるだろうから。

さて、明日も一日雨の予報、台風も気になる。とりあえずは自宅でまったり過ごすことにしよう。

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このページは、風見鶏が2011年5月28日 20:25に書いた記事です。

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