今朝は、某協会メンバーと経産省の意見交換会。テーマはもちろん震災対応。各社の話を聞くにつけ、悩みどころは同じだなと言う気がする。特に夏場の電力供給不足が予想されるだけに、行政側としても、その地ならしをしておきたいのだろうと思う。特に感じたのは、サプライチェーンの問題だ。モノの供給だけではなく、エネルギーも同じ。今日も出ていた話だが、テナントビル会社が、たとえば25%削減目標を科せられたとすれば、それをテナントに割り当てなければならない。でなければ、削減目標は達成できない。しかし、こうした部分には常に力学が存在する。ビルは典型的な例だが、データセンタもそのひとつだ。今は停電対策で頭がいっぱいだが、停電しないかわりに節電を、と言われる方がデータセンタにとっては辛い。なぜなら、自社運用のホスティング基盤などは、もうかなり仮想化、省エネ化が進んでいる。その上に乗っているお客さんはまだいいとして、昔ながらのラック借りのお客さんはどうだろうか。ラックの中身には、多少口は出せても手はだせないから、お願いするしかなくなる。これも力学の問題だ。同業者間の競争の力学もからむ。経済団体が口を揃えて「政府がガイドラインを」と言うのは、おそらくこの力学を気にしてのことだろう。
また、夏場の電力需給対策で、システムの分散やクラウド移行を考えるお客さんも多いようだが、ここ数年のセキュリティブーム(笑)で硬直化したポリシーを作ってしまった会社は簡単にそれを変えられず、手足を縛られた感じになっているという。なんとなく本末転倒な感じだが、皮肉な話、ビジネスの現実とセキュリティ管理の乖離が、震災で白日の下にさらされたのだ、というような気もする。
いずれにせよ、電力網のオーバーロードによる大規模停電というような「二次災害」は絶対に避けたいところだから、国全体として努力するしかない。言い古された言葉だが、ワークスタイルの見直しやエネルギー効率のさらなる向上を頑張って考えていくしかない。家庭でも、できれば家電製品類はより効率のいいものに変えていくことが必要だろう。
帰りに霞ヶ関あたりから桜田門まで歩いての道すがら。もう歩いていると汗ばむ陽気になってきた。この夏が去年のような夏になったら最悪だろうなと思う。今でさえみんなかなりのストレスを感じている。最近、オフィスビルは夜、明かりがいっぱいついていると、近隣から苦情がくるらしい。気持ちはわかるが、企業にもそれぞれ事情がある。むしろ、企業はかなりの節電努力をしているのだが、明るい、というだけで悪者扱いだ。結果として、薄暗く蒸し暑い中で、減らないばかりか増え続ける仕事をしなければいけなくなる。夏場にかけて、一般家庭でもこうした、くだらないことがいっぱい起きなければいいなと思う。白熱電球と蛍光灯と、LEDでは、同じ明るさでも効率がぜんぜん違う。でも、明るいというだけで文句を言われたらたまったもんじゃない。みんなが、自分なりの節電を心がけ、互いにそれをたたえ合うような国であってほしいと思う。家の玄関に「うちの照明は全部LEDです」、などと張り紙をしなくてもいいように願いたいものだ。多少の我慢は必要だが、もっと頭を、そしてお金に余裕のある人はカネを使おう。(実際のところ、私の家では全部照明を消しても100W電球一個分以下の電力しか節約できない。まぁ、それ以外に電気食い虫がいるので、こいつらを夏場にかけてなんとかしようと思っているのだけど。)とりあえず、このサーバはクラウドに一時待避かなと考えているところだ。
いろんな意味で、暑い夏・・・になりそうである。
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