どうやらこの週末にかけて天気が崩れるらしい。今日は朝から曇り空。でも、昨夜からの強風が暖かい空気を運んできて、気温は一気に上昇。今朝の新橋駅前では、なんとすでに19℃。電車の中は上着を脱ぎたくなるくらい。
駅前ではなにやらパフォーマンスめいた演説。まぁ、暖かくなると・・・・(笑)。
今日はまた一日実験モード。この状態では、同僚たちとの会話も極端に少なくなってしまう。一方、独り言は多くなると言う迷惑な奴なのだが。とりあえず、昼飯は同僚たちと社食で食いながらお話をするのも日課。そして、いつも散歩。天気がよくなくて風がむちゃくちゃ強かったのだけど、まったく寒く感じない。むしろ暑いくらいの気温。あんまりすっきりした絵が取れないので、ちょっと加工してみた。強風で波立つキュービックガーデン前の水場。
一帯はほぼ完成しているのだけど、まだオープンはしていないようだ。一部のテナントは入り始めているが、1階部分のお店はまだ工事中。4月中にオープンするのだろうか。でもまぁ、駅の混雑を考えると、このままずるずる延びてくれたほうが助かる。
芝浦工大の脇から豊洲運河沿いへ。ビルの隙間は風が吹き抜けるので、飛ばされそうになる。豊洲運河沿いのキャナルウォーク、昨晩の地震でまた状況が悪化したような気がする。泥があがっているので、明らかに液状化したようだ。これでは当分は立ち入り禁止のままだろうな。
この上の遊歩道も、ベンチのあたりが少しやられている。ブロックに隙間ができていた。
しかし、昨夜の揺れは、うちのあたりでも結構大きかった。体感的には震度4以上あったように思う。長く揺れが続くので、またちょっと酔ったようになってしまった。地震酔いの状態がまたちょっと悪化して、今も時々体が揺れるような感じがある。困ったものだ。桜もびっくりしただろう。
午後から夕方まで頑張って、どうにか実験モードにめどがついた。考えていたとおりの動きがほぼ出来たので、来週は実際の案件に使うための整理をしなくては。
さて、今週もおしまい。それなりに仕事もしたかなと。
で、ちょっと昨日の続き。プルトニウムがどうやってできるかの話をしたのだけど、このサイクルを原発の中でまわして、ついでにプルトニウムも燃やしてしまおう、というのが高速増殖炉だ。敢えて多くのウラン238を含ませた燃料を燃やして、中性子は減速しないでそのままウラン238をプルトニウムに変え、それも核分裂させて、出てきた中性子でまたウランをプルトニウムに変える。天然ウラン238の量は235に比べて、桁違いに多いから、このサイクルができれば、当分燃料には困らない。しかし、実験段階にある「もんじゅ」の事故でもわかるように、この技術は一般の原発に比べて、かなり難しい。なので、いまだに実用化はされていない。一方、通常の原発の使用済み核燃料を処理するとプルトニウムが得られる。これは、ウランよりも簡単に核兵器に出来るので、国際的な管理も厳しい。日本は、六ヶ所村がまだ稼働できていないため、再処理をフランスに委託しているが、再処理で回収したプルトニウムがどんどんたまっていく状態は、国際関係上も具合が悪い。そこで、これも原発で燃やしてしまおう、ということになった。ただ、プルトニウムだけだと制御が難しいので、ウランにプルトニウムを混ぜた、いわゆるMOX燃料を作って原発で燃やすことになった。これにより、過剰にプルトニウムが蓄積するのを減らすと同時にリサイクルでウランも節約しようというわけだ。ただ、MOX燃料はまだ国内では実験的に使われている段階。まだ十分なデータも集められていないから、これから・・・というところだ。福島第一原発も一部の炉にMOX燃料が使われているようだが、この場合、プルトニウムにも神経を使う必要が出てくる。
あと、時々聞く話だが、「水素爆発」と「原発」が重なって、「水爆」をイメージする人が案外多いようである。これは、まったく違うものなので混同しないでほしい。現在問題になっている「水素爆発」は化学反応(酸化反応)であり、核反応ではない。中学校の理科の時間にやった水素を燃やす実験と同様の現象だ。ただ、化学反応としてはかなり激しい反応であり、破壊的なのでうまく予防しないと、原子炉が破損して放射性物質がまき散らされることになる。水素と酸素の割合が一定以上になると非常に爆発しやすくなる(2:1の比率では、光を当てただけで爆発するという話は理科で習ったはず)ので、その比率を下げるために窒素を入れて圧力を上げ、相対的に水素の比率を減らしているということだ。窒素は安定で、きわめて高温にならないと化学反応を起こしにくいのでこうしたことに使われる。「水爆」について言えば、こちらは化学反応ではなく「核反応」である。ウランが核分裂の際に、もともとあった原子核が持っていた質量の一部をエネルギーに変える(アインシュタインの有名な公式で質量とエネルギーの変換が計算できるのだが)のに対し、水素は核融合、つまり水素の原子核同士がくっついてヘリウムができる反応で、これまた質量の一部がエネルギーに変わる。普通の水素同士をくっつけるためには、大きなエネルギーが必要だ。そもそも原子核はプラスの電荷を持っている。二つの原子核は当然反発するから、この反発力を超えられるエネルギーを与えなければ融合させることはできない。この大きなエネルギーを与えてはじめて、それにおつりがくるような、さらに大きなエネルギーが得られるのである。多くの場合、核融合の実験では、水素(H)の同位体である重水素(D)や三重水素(トリチウム:T)が使われる。重水素は安定な同位体で、自然界にも一定量が存在するし、無害だ。一方、三重水素(トリチウム)は原子炉などで重水素に中性子をあてて作るため、不安定な放射性元素である。いずれも化学的には水素なので、H20と同様にD2OやT2Oという水(重水、3重水)ができる。重水は人体にも一定量含まれているが、3重水は取り込んでしまうと内部被爆の危険があるので取り扱いは難しい。重水素や特に3重水素は普通の水素にくらべると低いエネルギーで融合させることができる。とはいっても、そのエネルギーは起爆剤として原爆を使わなければいけないレベルである。したがって、水爆には起爆用に原爆が使われる。核融合を制御して安定的に発生させることができれば、大きなエネルギーを得ることができる。これが核融合炉である。小規模な核融合は、たとえば小さな粒子加速器を使えば簡単に発生させることができる。私自身も大学の卒業研究でそうした実験をしていた。加速器のエネルギーも現在の一般的な粒子加速器に比べれば微々たるものだ。しかし、反応は原子何個かの単位でしか起きない。だから、その程度のエネルギーで、原子核の壁を破ることができる。ところがこれを、加速器ではなく熱運動で実現しようとすると、とんでもない高温が必要になる。熱運動で個々の原子が持つ運動エネルギーを加速器なみにしようとすると何億度もの高温を維持しなければならない。このような高温では、水素は電子を剥ぎ取られてプラズマ化する。こうしたプラズマを作り出す技術はすでにあるのだが、その温度を核融合が起きる温度で一定時間維持することが、いまだできていない。なので、核融合もまだ実験段階にある。核融合は、自然界に大量に存在する水素(水を分解すれば簡単に得られる)を燃料に使えるので、燃料はほぼ無尽蔵。発生する放射線も今の原子炉に比べれば少ない。(まったく放射線を出さないわけではない。水素とその同位体の核融合反応にはいくつかのパターンがあるが、その多くが融合の際に高速中性子を放出するものだ。高速中性子は、物質にあたるとその原子核に吸収されたり、原子核を壊したりして、物質に放射能を持たせてしまう働きがある。また、それ自身も危険な放射線だから、クリーンなエネルギーかといえばちょっと疑問が残る)まぁ、これを急いで作るよりは、もっとじっくりと研究を続け、その間は、自然の巨大な核融合炉である太陽からの恵みを使うことを考えたほうがよさそうだ。
延々と書いてしまったけど、今夜はこれくらいで・・・。
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