午前中は打ち合わせで終わり、帰りがけに月島あたりで同僚たちと昼食。散歩するまもなく、そのまま帰社したので、お昼の写真はこれだけ。
そのかわり、といってはなんだが、夕方は久しぶりに晴海まで湯桜を見ながら歩いてみた。ルート沿いはすっかり桜も見頃になっている。これはいつもの夜景に三日月。今夜はなんだか水面が波立っている。かなり風が強い。
春海橋を渡ったあたりの並木もいい感じに咲きそろってきた。昼間は桜のアーチが気持ちいいだろうな。
ちょっと春海橋の反対側に渡って夜景堪能。そういえば、スカイツリーに少し照明が入っている。航空標識灯と工事用の照明だろうか。夜にこれを見たのははじめてだ。
さて、ここの桜並木が満開になるとかなり圧巻。もう既にいい感じになってきている。一度昼間に来てみよう。
朝潮運河沿いの桜は7分から8分咲きくらいだろうか。でもいい感じになっている。
こちらは、トリトンスクエア脇のしだれ桜。
ところで、この運河沿いの歩道、なにやらパイロンを置いて規制している。
よく見ると、舗装のブロックがずれてしまっている。ここも液状化が発生したのだろうか。埋め立て地だし、特に水際は地盤が弱いのだろう。豊洲運河沿いもそうだったから。
節電で薄暗いトリトンの庭先。ここの舗装も歩いているとところどころ引っかかりがある。とりあえず、久々にここで夕食。
うどんで軽く・・・と思ったけど、これではあまり意味がない。結構重い夕食になってしまった。
食べ終わって外に出たらかなりの強風。ビル風の星もあるが、結構風が出てきた。とりあえず晴海からバスで有楽町へ出て、いつものJRで帰ってきた。
さて、原発事故でいろんな憶測やらデマが飛び交う状況はまだ続いている。正しい知識を持たないことによる誤解や過度の恐れも多い。夕刊紙は一時自粛ムードだったが、またぞろ刺激的な見出しを復活させつつある。困ったものだ。海外でも大衆紙は同じで、やたら不安を煽る見出しをつけて顰蹙を買っているようだ。近隣諸国では過剰反応もみられる。何が恐くて何が恐くないのか、正しい判断をするには知識がいる。なかなか難しいのだけど、すこしそういったことも書いてみようと思う。
まずは、原子力(核分裂エネルギーの利用)のしくみや原発と原爆の違いなど。一般の原子力発電では、ウラニウム(ウラン)を燃料として使う。ウランには主に質量数238の同位体と235の同位体が存在する。これは、化学的な性質はほぼ同じだが、物理的にはまったく違うものだ。ちなみに、同位体というのは原子番号(つまりは原子核の中の陽子の数)が同じで質量数(簡単に言えば、原子核の中の陽子と中性子の数の合計)が違うものをいう。つまりは原子核の中にある陽子の数は同じだが中性子の数が異なるのが同位体だ。中性子の数は原子核の安定性に影響する。中性子がある数より多くても少なくても原子核は安定せず、ある確率で崩壊して別の元素に変わる。こうした不安定な元素が放射性元素で、崩壊する際に出てくるのが放射線だ。放射線には、いくつかの種類があるが、最近、シーベルトという値で数値が公表されているのは主にガンマ線の量である。ガンマ線は、崩壊に伴って出てくる一種の電磁波(X線よりもさらにエネルギーの高い光)で透過性は強いが、よりインパクトの強いのが粒子線だ。粒子線にはアルファ線、ベータ線、中性子線などがある。アルファ線は陽子2個と中性子2個のかたまり、つまりヘリウムの原子核であり、重い分、透過性はなく紙でも止まるくらいのものだが、放射性物質に直接触れるなどして浴びた場合は大きな影響がある。ベータ線は電子線だ。軽いからアルファ線よりも飛距離があるが、軽い分、薄い金属板などがあれば遮蔽できる。但し、これも直接触れるなどすると大きな影響をもたらす。一番アブナイのが中性子線。電子より遙かに重い粒子だが電気的に中性なので透過力も強い。しかも、物質の原子核に直接ヒットできるので、原子核を破壊したり、原子核に吸収されることでそれを不安定化(放射化)させるなど、困ったことをする粒子線だ。
さて、ちょっと脱線したが、天然のウランの大部分がウラン238だ。これも放射性だが、崩壊は非常にゆるやかで、エネルギーを得るには弱すぎる。一方、僅かに含まれるウラン235は非常に不安定な同位体で、なにかの弾みで原子核が割れてしまう。つまり核分裂を起こす。その際に(原子のレベルで見て)大きなエネルギーと何個かの中性子を吐き出す。実はこの中性子が厄介者なのだ。自然の状態ではウラン235の核分裂は比較的ゆっくりと発生するので、さほど害もない。しかし、このウラン235を一定量、ある密度で集めてやると大変なことになる。この量・密度を臨界点というのだが、ある原子核が崩壊した時に出る中性子が近くの原子核にヒットし、その原子核を分裂させ、さらにそれが中性子を生み出すというネズミ算的な連鎖反応を引き起こす。その密度が非常に高ければ、連鎖反応は爆発的になり、比較的低ければ連続的に熱エネルギーを取り出せるような反応が継続することになる。これが原爆と原子炉の違いだ。ちなみに、原爆を作るには純粋に近いウラン235が必要になる。一方、原子力発電用の燃料は、これよりもずっと低い純度で作られているから、万一反応が暴走したとしても原子爆弾のような爆発を引き起こすことはない。この違いは重要だ。イランや北朝鮮で問題になっている「遠心分離器」の技術は天然ウランからウラン235だけを分離して濃縮するのに不可欠な技術である。原発の燃料ならば低濃縮ウランで十分だが、原爆を作るには高濃縮ウランが必要になる。それだけ遠心分離器の段数を多くしないといけない。なので、遠心分離器の性能や数を見れば、それが原発燃料を作るためのものか、原爆を作るためのものか、ある程度推測が出来る。
しかし、原発とて暴走してしまうと非常に困ったことになる。ある意味では原爆よりもたちが悪い。原爆は一瞬だが、原発の暴走は、長い間継続して熱や核分裂生成物として強い放射能を持つ元素(たとえば、ヨウ素131だったりセシウム137だったり)を生み出す。もちろん中性子も大量に吐き出す。チェルノブイリはまさにその状態に陥ってしまったわけだ。原発では、このような暴走を起こさないために制御棒という中性子を吸収する物質(カドミウム、ホウ素など)でできた棒を燃料棒の間に差し込む。これによって中性子が引き起こす連鎖反応を制御し、平衡状態を作り出す。制御棒が完全に差し込まれた状態では、中性子の多くが吸収されてしまい連鎖反応は継続しなくなる。これが停止状態の原子炉だ。徐々に制御棒を抜いていくと中性子の量が増え始め、ある点で反応が継続的に発生し一定の平衡状態を維持するようになる。これが臨界である。この状態を安定的に保つことで、原発はウランの崩壊のエネルギーを熱として取り出すことができるのだ。
日本が採用している軽水炉は、この燃料と制御棒の集合体を真水に浸した状態で運転する。この水は燃料棒の過熱を防ぐと同時に蒸気となって循環し、タービンを回すことで熱エネルギーを運動エネルギーに換える働きもする。実は、この水にはもう一つ重要な役割がある。それは中性子の減速である。核分裂で発生した中性子は高いエネルギー、つまり速度を持っている。これを高速中性子という。高速中性子は、様々な原子核と反応はするが、多くの場合吸収されてしまったり、一部をはじきと飛ばしたりと、きれいな核分裂はなかなか起こせない。ウランに核分裂を発生させるためには、ある範囲の比較的低いエネルギーの(つまり遅い)中性子(これを熱中性子という)が必要だ。この核分裂を引き起こしやすい条件を作る役割も水はになっている。今回の事故では制御棒が入って連鎖反応が止まった状態にあるため水で冷やすことが重要なのだが、たとえば東海村の臨界事故のような暴走してしまったケースでは、水を注ぐとそれが減速剤として働いて逆効果になる可能性もあるから注意が必要なのである。ちなみに、燃料貯蔵用プールでは、連鎖反応が起きないように間隔をあけて燃料棒を貯蔵している。従って、原子炉で制御棒が入ったのと同じような状態にあるから、多少の発熱はあるが、水を循環させていれば問題はない。このプールの水は純粋に冷却用(多少シールドとしての効果もあるが)である。
きりがないので今日は適当に話をきりあげるのだけど、最後にプルトニウムの話をひとつ。プルトニウムの原子番号はウランより一つ大きい93、質量数は239である。つまり、ウラン238に陽子を一個追加すればいい。つまり人工的に陽子を原子核にたたき込めればいいのだが、これはそんなに簡単ではない。なぜならプラスの電荷を持つ陽子は同じプラスの原子核と反発し合うからである。ところが、電気的に中性の高速中性子は比較的簡単に原子核に吸収される。ただ、中性子が吸収されても質量数が一つ上がるだけで原子番号は変わらないから、質量数239のウラン同位体ができることになる。しかし、ここからがマジックだ。実はウラン239は非常に不安定な原子核で、短時間でベータ崩壊を起こす。ベータ崩壊はベータ線(電子)の放出とひきかえに、中性子一個が陽子に変わり、原子番号がひとつ上がる形の崩壊である。結果、プルトニウム239のできあがり・・・となる。実は、原発の燃料の中には、濃縮過程で残ったウラン238がかなりの量含まれている。なので、使用済み核燃料の中には、プルトニウムが含まれているわけだ。プルトニウムも核分裂の連鎖反応を起こすので、原爆や原発に使えるが、不安定な分ウランよりも扱いが難しい。さらに化学的には強い毒性を持っているので、放射能だけではなく毒性にも注意が必要だ。
と・・・・お、揺れが・・・・・でかい・・・・・地震だ。テレビつけてみよう。
今夜はこれにて・・・・
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