昨日はISFコングレスの最終日。天気は快晴。いい感じだ。朝食後、会場へ向かう。
波止場には今日も客船が入港中。
今朝の基調講演はENISA(EUの情報セキュリティ部局)から。昨今の世界的な情報セキュリティインシデントの傾向や、いわゆるサイバー戦争の話など、多くの場所で話される事柄だが、そういう意味ではEUも同様に昨今の状況には危機感を感じているようだ。おもしろかったのは、このスライド。
中堅企業と大企業を比較して、インシデント被害額の平均を対比したものだが、インシデントへの対応工数など、間接的な費用も見積もられている点がユニーク。実際の調査に基づいた数字のようだが、この点については、あまり国によっての差異はないだろうから、我々も参考にできるかもしれない。
このあとブレークアウトセッションが一つ。聞いたのはモバイル系セキュリティの話。スマートホンやタブレットなど、様々なモバイルデバイスが一気に普及したことで、それに関連する脅威も増えている。こうした変化は、まずコンシューマ向けから始まり、一気に進んでいく。これらは、当然のように、企業内にも入り込むし、ビジネスにも使われ始める。これらは、企業に多くのリスクをもたらすのだが、一方で、その時点ではすでに止めることはできない。明らかにこれらはビジネスの生産性を高めるし、禁止してしまえば、様々な面でビジネスの足を引っ張ることになる。そういう意味で、情報セキュリティ側は、多少コストをかけてでも、これらのリスクを下げるための対策を導入し、利用をサポートすべきであるというのだ。これには、私も激しく同意する。と同時に、情報セキュリティはいよいよ、(特に、技術的な意味で)独立しては存在できなくなってきているという思いを強くする。最新の技術にいち早く対応していく素早さが求められるならば、情報セキュリティの担当者はITの最先端を常に追わねばならないからだ。これはかなりタフな話だが、それができなければ、ビジネスに負ける世の中になってくるのは間違いなさそうだ。
最後に、キーノートセッションがひとつ。情報セキュリティにはリーダーシップが不可欠なのだが、自分の発想をいかに柔軟に保つかというお話。矢じりを首に当てられたら、普通は引いてしまう。でも、逆に思い切って前に出ることで、矢は折れる・・・。瞬時にその判断をするための発想転換のトレーニングは、なかなかおもしろかった。こうしたセッションは、ベンダ側主体のコンファレンスではありえないだろうが、実際のセキュリティの現場では必要なことだ。
休憩時間の間に、会場の周囲をひとまわりしてみた。天気がいいので気持ちがいい
夏場なら人であふれるだろうビーチも、今は閑散としている。この時期のモナコは、ここに住んでいるお金持ちたちの楽園なのかもしれない。
ぐるっと周囲を一周して、会場前。
まだ少し時間があるので、あたりで少しのんびりしてみた。
そして、遅めのランチタイムとクロージング。来年の総会は9月にベルリンらしい。また参加できるといいのだけどね。
宿に戻って、ちょっと聞いた内容をまとめたあと、夕方の散歩に出かけてみた。、
ホテル下のトンネルを抜けて、港のほうに出てみる。停泊中の船にも灯りがともりはじめた。
ホテルの裏手の丘の上に、モナコ一の由緒あるカジノが建っている。さすがに、ここでひと博打うとうなどという度胸もおカネもないのがさびしいけど、ちょっと周囲を歩いてみた。一昨日行った人たちは、やはり散財だったようだ。
ぐるっと一周して、ホテル前のヘアピンカーブ。
帰って食事に行こうと思っていたのだけど、眠気が勝って、そのまま沈没。結局、ずるずると朝の4時前まで寝てしまって、それからこれを書いている。図らずも、帰りの時差調整をやってしまったみたい。
さて、今日は朝8時前のバスでニースに向かい、またパリ経由で帰国の予定。体は疲れたけど、それなりに得るものがあった旅だったなと思う。1週間おきの海外出張は結構、体にもこたえる。体調も、万全とは言い難い状態だが、これで今年はおしまいになるだろうから、帰ってきちんと体調を整えたいところだ。では、また日本で。Au revoir!
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