今日から本格的に始まったRSAコンファレンス。朝からキーノートを・・・と思ったのだけど、連夜の時差ぼけで寝坊してしまい、最初の2セッションを聞き逃した。お天気は朝から雨。肌寒い感じで、ちょっと気分もさえない感じ。とりあえず朝食で元気をつけて、会場に出かけた。
キーノートはちょうど中休み。とりあえず席を確保して残りのセッションを聞いてみた。最初は、シマンテックのCEOのプレゼン。
最近のテクノロジーのキーワードとして、ソーシャルメディア、クラウド、モバイルの3つを挙げて、こうした技術がIT(というよりも「情報経済」)の高度化をより加速していくだろうと予測。同時に、昨今の脅威の動向、とりわけ脅威のターゲットが鮮明になり、それにつれて手口も高度化していることなどに触れて、より総合的な対策が必要だと述べた。興味深かったのは、マルウエアのシグネチャ数が、2009年から2010年で倍増しており、もはやシグネチャベースの対応には限界が見えていることや、シマンテックとして、シグネチャベースに加えてレピュテーションベースのしくみも強化しているといった話。そして最も印象的だったのが、最後のしめくくりとして述べた言葉だ。「新しいIT技術はビジネスの推進に不可欠だ。ソーシャルメディア、クラウド、モバイルといった領域の技術は、ビジネスのあり方を大きく変えるだろう。我々(セキュリティの専門家)は、これらをブロックするのではなく、うまく使えるようにする(enableする)ことが必要だ。」というくだり。そう、これが日本のセキュリティ屋さんたちが一番考えるべき部分なのだろうと思う。
引き続き、表彰式をはさんで、暗号屋さんたちのパネル。こういうメンツのパネルを見られるのはRSAならではかもしれない。
中身は半分雑談っぽいもの。正直言うと眠気のせいでいまいち聞き取れなかった。おもしろかったのは、モデレータの質問。「皆さんは、いわゆる頭のいい人たちとして世間から見られているのだけど、これまでに何かおバカなことをしたことはありますか?」というもの。おもしろかった答えは、自分は100日のうち99日はバカげたことしか思い浮かばない・・・というもの。でも、100分の1の確率で素晴らしいことを思いつけるのだったらいいんじゃないかな・・・と。
最後は、先日、ホワイトハウスのセキュリティ責任者に任命された、ハワードシュミット氏の講演。
氏は、先日JNSAが提携発表したISFの代表でもあるのだけど、先日の来日予定がホワイトハウスのご指名の影響で急遽キャンセルになったのは残念。米国政府で、現在進められているセキュリティ関連部局の統合の話などを中心に語っていた。やはり政府のセキュリティ施策は縦割りの行政では難しいのだろう。このあたりは日本もなんとかしたいところなのだが・・・
さて、今朝はPC入りのバッグを提げて会場に行ったのだけど、これを持ち歩いているのは結構疲れる。すこし展示会を見てから一旦荷物を置きにホテルに帰ってきて、とりあえずこれを書いている。今回、ちょっと面白い傾向が見えてきた。セッションのテーマとしては「クラウド」がらみのものが多いのだが、展示会のブースで、"Cloud" を前面に出しているものは少なかったということだ。おそらくセキュリティ屋さん(米国ではユーザサイドな人が多い)の興味はクラウド周りにあるのだが、(というより、すでにかなり語りつくされた感もあるのだが・・・)ベンダサイドは、無理やり自分たちのソリューションをクラウドに結び付けても見向きされないことがわかっているから、むしろ、要素技術としての特徴をアピールするような方向にあるのではないかと思う。ともすれば米国発のキーワードに踊る(踊らされる)日本のベンダにも見習ってほしいあたりだ。
さて、天気も良くなってきたので、また少し出かけることにしよう。
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