このブログは「風見鶏」が、日々気づいたこと、思ったこと、したことを気ままに綴る日記です。2008年9月に旧ブログから引っ越しました。バックアップをご覧ください。

ゲストログインがうまくできないので、コメントを承認制にしました。スパムでないことを確認の上、公開します。判断はあくまで「風見鶏」の主観で行いますので、文句は受け付けません。(笑)承認が遅れることもままあると思いますが、あしからず・・・

システムトラブルのため、2015年以降のブログ画像と2018年5月以降の記事が消失しました。画像は鋭意、新しい物から順次復旧中ですが記事については残念ながら戻せません。残念ですが、あきらめます。

なお、ここに書いていることは、あくまで個人的な思いであり、いかなる組織をも代表、代弁するものではありませんし、無関係ですので念のため。

雲をつかむ話(2章-3)

| コメント(0) | トラックバック(0)

現在言われている仮想化技術の原型はもうずいぶん前に作られている。メインフレーム時代、IBMのMVSというOSは、今で言うハイパーバイザとして機能し、そのうえで複数のOS環境を作ることができた。PCの世界ではVMWAREが、PCのOS上で別の仮想OS環境を起動できる仕組みを、これも比較的早い時期から実用化し、私なども検証用に複数の環境が必要な時に重宝したものである。

仮想化、ということがサーバ側で本格的に言われだしたのは、ここ数年だ。追い風になった要因は様々だが、たとえば、不景気によるコストダウン圧力からTCO削減を目的に始まった、サーバ統合、これは電力消費の削減と平準化という意味ではエコでもあり、それもまた追い風になっている。JSOXなどを皮切りに日本では、BCPの一環として、情報システムの災害対策が一気に進んだが、バックアップシステムを新たに作るにあたって、既存システムを仮想マシン化し、仮想化環境の上で動作させることが多くなっている。

こうしたニーズを受けて、仮想化プラットホームも進化していく。もともと1台のサーバリソースの有効利用だった仮想化は、複数サーバ、しかも遠隔地にあるサーバ間での仕事の受け渡しが、限定的ながらも可能になった。あと少し進化すれば、複数のデータセンタと高速な通信回線を基盤として、データセンタグリッドを作る条件が整う。これができれば、クラウドコンピューティングのスケーラビリティは格段に向上する。しかし、経済的な問題はついてまわる。1社で大規模な複数のデータセンタを配置し、高速な回線を占有できる会社は限られているから、ここでも放置すれば寡占化が進んでしまう。独立系のデータセンタ事業者は、そろそろこれに対抗する策を真剣に考えないと生き残りが難しくなってくるかもしれないと思う。Googleの例を見れば明らかなように、大規模化と負荷の平準化によるハードウエアリソースの削減は低価格化を促すからだ。タイムゾーンが重なる日本でも、多くの異なる業種のユーザを共存させることで、ある程度の平準化は可能だろう。したがって、そのようなことができる一定規模以上のファシリティを用意できない事業者は価格競争に勝てない可能性が高いのである。

 

(続く)

トラックバック(0)

トラックバックURL: https://www.kazamidori.jp/MT/mt-tb.cgi/231

コメントする

月別 アーカイブ

この記事について

このページは、風見鶏が2009年12月 9日 07:38に書いた記事です。

ひとつ前の記事は「雲をつかむ話(2章-2)」です。

次の記事は「年末ムードうらはら・・・」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。