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CSI Annual 2009

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今日からCSIコンファレンス。ワシントン郊外は雲は多いものの、晴れ。しかし、今朝はちょっと肌寒い気温で、秋深しといった雰囲気だ。航空路の下なのか、空にはおびただしい数の飛行機雲。

CSIの初日は午前中がキーノートセッションと展示会。キーノートの最初は、陸軍のサイバー関連法の専門家、David Willson 氏の講演。サイバー犯罪や戦争行為にどう対応していくかを国際法の観点から考えたものだ。インターネットに明確な国境は作れないから、いっそ国際条約で公海や南極、宇宙などと同じようにネットも各国が領有権を主張できない場所にしてしまおうというもの。そして、管理は国際的な枠組みで行って、インシデント対応も国際IRTを作ってやれば・・・というお話。いかにも法律家らしい考え方だが、ちょっと無理があるかもしれない。

このあと、そのテーマでパネルが行われたのだけど、やはり、あれこれと異論が出た。まず、ネットはほとんどの国で民間会社が運営していること。当然、その所有権や管理権は民間にあるから、それを国際管理といっても無理がある、というのはISPサイドの意見。そもそもネットは人間が作ったもので、もとからある海や南極なんかとは違うんだということ。当然、ネットの形もその時代の必要に応じて変えていくことが出来るし、そうすべきだと言う意見だ。

思うに、すでにネット上に「長城」を築きつつある国もあるし、一部の国はサイバー「戦争」も視野に入れた動きをしている。こんな動きがあると他国も追随せざるをえない。実際、戦争や紛争にリンクして、ネット上で攻撃が行われることも少なくない。はたして、これが軍事的な行為なのか、一部の人間の勝手な行為なのかはグレーなままだ。条約を作るのはいいが、それが実効性を持つかどうかはきわめて疑問だと思う。ただ、今のままで進んでいくと、ネット上に国境を作らざるを得なくなりそうなのも事実。難しい問題だ。

キーノートの後、展示会をちょっと冷やかしてから、昼食までの間、会場の周囲を歩いてみた。展示会はあまりぱっとしない。この不景気で企業スポンサーもユーザ企業からの参加者も減っているからいたしかたないのだが、それでもこうしたコンファレンスを維持できている意味は大きいと思う。

雲は多いけれど、気持ちのいい天気で、ポトマック川を渡ってくる風がここちいい。空の雲も、なんとなく晩秋の雰囲気だ。

午後からのセッションは、モバイル関連の連続セッションを聞いた。今日の午後はいまいちぱっとした内容がなく、たまには・・・と思って聞いたのだけど、内容的にはありふれたもので、かなり退屈した。最後のセッションは眠気に耐えかねてパス。夕方のレセプションまでホテルで昼寝を決め込んだら、ちょっと寝過ごした。

恒例の参加者レセプションは、時節柄、ハロウィーンな雰囲気。例によって日本常連組で、あれこれお話。カメラマンが撮影に来たので、向かい側に座っていたアメリカ人らしき女性を囲んで乾杯ポーズで撮影。たぶん、来年のコンファレンスのパンフレットに載るのだろう。ちなみに、今年のパンフには、日本常連組が写った写真がたくさん掲載されていた。主催者的にはインターナショナルな雰囲気を出したかったのだろうと思う。

さて、明日は一日ぶっ通しの「クラウド」トラックを聞く予定。クラウドのセキュリティと言っても、技術的にはその基盤となる技術、たとえば仮想化やWebセキュリティ系のものが多いのだが、気になるのはやはり、管理面やコンプライアンスの面からの問題。情報が国境を越えたり、分散されてその位置が特定できなくなってしまうことなどを考えると、特定の情報、たとえば個人情報などの管理方法を細かく規定した法令や、機密保持契約などとの間で整合性が確保できない可能性がある。このあたりをどのように解決しようとしているのか、また、SaaSなどの事業者がどの程度情報開示やインシデント対応への協力をするつもりがあるのかなどが私の興味の中心だ。こちらのユーザたちがクラウドをどのような視点で捉えているのかも興味がある。「雲をつかむ話」で私が書こうとしている見方と共通するような見方があるのかどうかも知りたいところだ。

さて、今朝はちょっと冷え込んだので、今夜は室温をちょっと高めに設定して寝ることにしよう。

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このページは、風見鶏が2009年10月27日 09:21に書いた記事です。

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