昨日のDEFCONで、サイバー戦争がらみのセッションを聞いた感想というか疑問。いったい「戦争」の定義ってなんだろう。サイバー攻撃、サイバーテロ・・・これらとサイバー戦争の違いは何だろう。
国家同士がネット上で戦えば戦争なんだろう、これははっきりしていると思うのだけど、それが国家同士の戦いだとどう判定できるのだろう。実際の戦争のようにあからさまな宣戦布告があればわかるのだけれど、おそらくこの戦いに参加するのは正規軍だけではあるまい。以前にも書いたけど、ネット上の戦いにルールを持ち込むのは困難だ。際限なく拡大していき、制御ができなくなって、物理的にネットを破壊する、つまり実際の武力行使に至らざるを得なくなるんじゃないかという危惧もある。
昨日のセッションでは、中国人民軍のこの10年ほどのサイバー部隊育成に関する調査が紹介されたが、明らかに電子戦を想定して、サイバー攻撃や防御のエキスパートを揃えているばかりであなく、EMP兵器などの開発も進めているようだ。
一国がこういう状態だと、他国も追随せざるを得ないだろうし、もしかしたらすでにもっと先に進んでいる国もあるかもしれない。戦争ということならば、これらも含めて既存の軍縮の枠組みに取り込まれていくことが必要だろうが、兵器のように軍のみが管理しうるものとは異なり、サイバー戦ではだれでも武器を入手できる。軍縮の検証は困難だ。もし、やるのであれば、各国が自国のネットを管理、統制できなければならないだろう。もし、自国発の攻撃が発生した場合、国家は、それが戦争行為でないということを証明できなければいけないからだ。その対象がインターネットなのだとしたら、インターネットの根本思想そのものにかかわる問題になってしまう。
はたして、10年後、20年後のインターネットはどうなっているのだろうか。不安である。
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