一週間、長いようであっという間。もう今日は最終日、明日には島を離れなくてはならない。昨日にもましていい天気だった今日、いつものブランチを海辺のバーラウンジでとって、しばし、海風に吹かれながらまぶしい海を眺めた。
それから、車に乗って19号線を北に向けて走り出した。お天気次第で北周りでヒロあたりまで行ってみようかと思っていたのだけど、コハラ山の麓、ワイメアあたりで雨が降り出した。北海岸は雨雲に覆われている。たぶん、ヒロも雨だろう。そう思って、ワイメアから山側の190号線に折り返す。少し走ると天気は回復、見れば、サドルロードのあたりは晴れているよう。そこで、190号線からサドルロード(つまり、マウナケアとマウナロアの間の高地を走る道路)に上がってみた。
あたりはのどかな牧草地。遠く北コハラの海岸線も見える。サドルロードの西側はお世辞にもいい道とは言えない。一応中央線はあるが、片車線は車1台ぎりぎり。対向車が来るとちょっと怖い。場所によっては路肩にはまりそうなところもある。曲がりくねっている上に上り下りも激しく、前回来た時はちょっと不安になった。
あたりには牛や馬がたくさん放牧されている。のんびりと草を食む姿がみられる。
サドルロードの最高地点は2000m近い。麓で80°Fを超えていた気温は50度台まで一気に下がる。半そで短パンではちょっと寒い。ちなみに、サドルロードのヒロ側(東側)は道がきれいに整備されている。ふとみると、新しい道を西側に伸ばす工事が進んでいるようだ。やがては、サドルロードはきれいなハイウエイにかわるのだろう。でも、こののどかさも捨てがたいのだが。前回来た時は陸軍施設の先に国立公園の施設があって、トイレなどもあったのだけど、そのあたりは新しい道に切り替わってしまっていて、施設を見つけられなかった。ヒロ側に行くにつれて天気は悪化。前回よりも雲が低く、サドルロードにも雲がかかってくる。もしや、この雲だと少し登ったら抜けられるのでは・・・・、と思って、サドルロードからマウナケアの登山道に向かう。すこし上ると雲に入って視界が悪化。雨も降り始めた。
数マイル上ると、マウナケア(オニヅカ)ビジターセンターがある。標高はおよそ2800mで、山頂に行く人は、ここでしばらく休憩して高度に体をならしていく。中では、レンジャーが質問に答えてくれるほか、マウナケアの紹介ビデオが上映されていて、登頂の注意点なども聞くことができる。建物の前には望遠鏡が置いてあり、天気がいい夜には天体観察もできる。
ここはちょうど下層の雲と上層の雲の間で雨は降っていない。上の雲は時々わずかな晴れ間がのぞくが、まだまだ厚そうな雲だ。
1時間ちょっと、ここで時間を潰して、防寒着に着替えてから、ゆっくり山を登り始めた。車がほとんどいないので、マイペースで20マイル時くらいのゆっくりとしたスピードで登る。少し登ると、道の舗装が途切れる。急な坂でなおかつ舗装がされていないので、うっかりパワーをかけすぎるとタイヤが空転する。雪道運転の要領でそろそろと登っていく。あっという間に3000mを超え、4000mに近づいたころ、雲が切れた。
空の色がとても深い、日差しは目に痛い。サングラスは必須だ。あまり急いで登ると体が気圧の変化についていけないので、途中に2か所ほどある駐車スペースで少し休憩をいれながら登る。山頂付近にはまだ雪が残っている。山頂に近づくと道はまた舗装路に。そして、写真で見なれたこの風景が・・・・。
ほぼ最高地点まで登って雲海を眺める。かろうじて雲の上に出ている感じで、地上はまったく見えない。車で走っている時は感じなかったが、やはり空気が薄いのだろう。ちょっと歩いただけで息が切れる。体が重い・・・・。これは、さっさと降りたほうがいいなと思って、山頂をあとにする。山頂からの夕暮れ鑑賞はまたの機会に・・・。下りは、登りよりもさらに慎重に走る必要がある。オーバースピードで、カーブを曲がれずに崖から落ちたらシャレにならない。ギアをローに落として、エンジンブレーキでゆっくり下っていく。やがて雲の中へ・・・。飛行機に乗っているような気分だ。
そろそろと雲の中を降りて、ビジターセンターでトイレに寄ってから、一気に山を下る。サドルロード(ここはもう200号線、きれいなハイウエイ)に戻って、ヒロ側へ下る。元の方向へ戻ったほうが近いのだが、砂利道でホコリをかぶった車を熱帯性シャワーで洗ってやろうという魂胆。予想通り、ヒロに近づくと土砂降りの雨になった。ヒロに近づくと、道はまたアップダウンのきついワインディングに。ちょっとジェットコースター感覚。
ヒロ通過は午後5時。帰りは2時間以上はかかるので、今日はホテルでの日没鑑賞には間に合わない。そこで、帰り道に高台から夕日をながめることにする。ワイメアまで北周りで戻り、そこからまた190号線に入ってカイルアまで走るコース。19号線にまわるより近道のうえ、高台を走る道なので眺めもいい。そして、予定通りのあたりで日没。
日没のあとの空もなかなかいい。がらがらの道をカイルアに向けて飛ばす。
途中で夕陽を見たので、ホテルについたのは午後7時半ごろ。さすがに腹が減ったので、さっそく飯を食いに出た。最終日の夜なので、肉の食いおさめ。近くの Outback にステーキを食いに行った。この種の肉は日本ではなかなか食えないので。
クラムチャウダーとサラダのセット、付け出しのパンにナイフが突き立ててあるのが、なかなかワイルド(笑)。このパン、結構おいしい。そして、12ozのNYステーキ
最終日だからと調子に乗って食いすぎた感じ・・・・。まだ、胃にもたれている。かくして、最終日もあとは眠るのみ。明日の朝はここを離れなくてはいけない。今夜は、もうしばらく夢の続きをみていよう。
コメントする