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パンデミック警戒フェーズ5

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WHOが豚(新型)インフルエンザのパンデミック警戒フェーズを4から5に上げた。アメリカでの死者発生や、スペインで、人から人への感染が発見され、少なくともメキシコ以外の2ヶ国になったことなどが理由と考えられる。WHOのホームページで今朝の声明文を読んでみた。簡単に訳すと以下のようになる。多少主観が入った訳になっていると思うので、正確な内容は上記ページの英文を参照してほしい。

------------- 以下、WHO声明文の自主翻訳

これまで得られたすべての情報と複数の専門家による検討に基づいて、現在のインフ
ルエンザパンデミック警戒レベルを4から5に引き上げることを決断した。

インフルエンザのパンデミック(世界的な大流行)はすべての国々に急速に拡大する
能力を有しており、深刻かつ正確にとらえられることが必要だ。

一方、現在の世界は過去のいずれの大流行に対してよりも、インフルエンザの大流行
に対して備えができている。

これは、H5N1型の鳥インフルエンザの拡大に備えてとられている様々な対策のお
かげであり、我々は今、その恩恵を受けつつある。

今回、歴史上はじめて我々はパンデミックをリアルタイムで追跡することができる。

自らの国内での調査の結果を公開してくれている国々にも感謝したい。これら(の情
報)は我々がこの病気を理解する助けとなっている。

私は感染が広がった国々が感染拡大を防ぐために行っている作業に感激している。ま
た、米国やカナダの政府がメキシコにおいてWHOを支援してくれていることにも感
謝したい。

私は皆さんに、(今回の)新しい病気は、(専門家たちの)説明によれば、まだすこ
ししか解明されていないこと、また、インフルエンザウイルスは変異が早く予測が難
しいことを申し上げておく。

WHOと感染発生国の保健当局は、現時点ではすべての答えを得ていないが、やがて
は得ることになるだろう。

WHOは、パンデミックを疫学的、臨床的、ウイルス学的な見地から追跡していく。

現在実施されている影響評価の結果は、公衆衛生勧告として発行され、公開される予
定だ。

すべての国々は、各自のパンデミック対策計画をただちに始動すべきである。また、
各国はインフルエンザに似た症状や重症肺炎の急拡大に対する高い警戒レベルを維持
すべきだ。

このステージ(フェーズ5)では、効果的かつ必要な対応、つまり感染監視のレベル
を上げること、早期発見と早期治療、医療機関においての感染防止などの対応が求め
られる。
このフェーズ引き上げは、各国政府、保健当局や関係省庁、製薬会社、ビジネスコミ
ュニティーなど、すでに様々な対応を行っている組織に対して、その対応のペースを
上げるように促すシグナルである。

私は、(WHOへの)資金(資源)提供国、UNITAID, GAVI連合、世界銀行などに対して、
資金(資源)の提供のための接触を始めた。

私は、抗ウイルス薬の製造企業に対して接触を持ち、製造能力を評価したうえ、それ
を増強するためのあらゆる方策を検討している。

また、同時に私はパンデミックワクチンを製造可能なウイルスワクチンメーカーに対
しても、すでに接触している。

特に現時点での最も大きな疑問は、このパンデミックがどのくらい深刻なものか、と
いう点である。

現時点では、この病気の症状は、臨床的にみると軽症から重症まですべての可能性を
持っている。我々は、この疑問に答えるために、事態の推移を継続的に監視し、より
詳細な情報を得る必要がある。

過去の経験では、インフルエンザは先進国では比較的軽い症状で終わる可能性がある
ものの、途上国においては高い致死率をもたらす重症化に至る可能性もある。

状況の良し悪しにかかわらず、国際社会はこの事態を、(パンデミックに対する)備
えや対応を強化するためのよい機会ととらえるべきだろう。

最後に、すべての国々、人々に有益な対応策、解決策を模索している現在は、国際的
な結束を固めるよい機会だと考える。これは、パンデミックの脅威にさらされている
人類全体の問題だからだ。

すでに述べているように我々は現時点ではすべての答えを得ていない、しかし、(必
ず)得るつもりだ。

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まだ、ウイルスの危険度などを判断するためには、情報収集が必要だが、定められたフェーズの条件にてらして、最悪のケースを念頭に対応をとるべきだということなのだろう。深刻にとらえつつも、パニックは避けて、最悪のケースを避けるために必要な対策をとろうということだ。ある意味で、より強い毒性を持った病原体のパンデミックの予行演習でもあると思う。もちろん、今回のウイルスが今後どのように変異していくかはわからないから、当然の対応でもある。

日本政府は、いまのところメキシコ以外への渡航制限はアナウンスしていないが、感染発生地域を示して注意喚起を行っている。これは現実的な対応だろう。

弱毒性であったとしても、変異リスクや自然の免疫がないウイルスであることを考えれば、これ以上広がらないようにすべきだから、とくに海外に出かける人は、少しでも体の異常を感じたら、すぐに医療機関に相談するなどの対応をとる必要があるだろう。これは自分自身のためでもある。インフルエンザは早期に治療を開始すれば深刻化することは少ないからだ。タミフルなどは発症後48時間以内に飲む必要があるとされている。発熱などの症状が出たら迷わず医療機関に相談すべきだと思う。手洗い、うがい、マスクなどはほかの病気や風邪、一般のインフルエンザなどの予防にもなるから、こまめに励行したい。

引き続き、経過を見守ろう。

 

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このページは、風見鶏が2009年4月30日 14:33に書いた記事です。

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