今週から半日会社に通い始めて、今日は中休み。いい感じでスタートを切れたと思う。今日はちょっと中休み。天気もいいので、午前中に自転車で小一時間走ってきた。最初は鶴見川のサイクリングロードをまた新横浜あたりまで、と思っていたのだが、途中から横浜駅伝なるイベントにぶつかって、河川敷の道路が走者であふれてしまった。通行が規制されているわけではないが、わずらわしいので、綱島あたりで河川敷から上がって別ルートで戻ってきた。
昼飯を食べて、しばらく散歩、それから家に戻ってテレビを見ながらちょっと昼寝。CSのニュース系チャンネルを順番に見ながら豚インフルエンザ(日本メディアではすでに「豚」ではなく、ヒトの新型インフルエンザとなっているが、欧米メディアではまだ Swine Flu と呼ばれている)関連のニュースをチェック。
別の日記にも書いたのだが、報道が細切れで、なかなか全体像がつかみにくい。たとえば、昨日のWHOが警戒レベルを上げた際の会見についても、すべて放送したメディアは日本ではなく、たとえば、「すでに封じ込めはできなくなっている」といった部分だけを切り出して放送しているものが多かった。実は、このあと、まだ世界的なパンデミックは食い止めることが可能だ、という部分があるのだが、これが省かれてしまうと、すでにパンデミックが始まって止められないような印象を持ってしまうので怖い。米国が18億ドルの対策予算を議会に要求した、というニュースでも、政府の危機管理責任者の発言から「今後米国でも死者が出る可能性があると考えている・・・」といった部分のみを切り出して報じているメディアがある。CNNのサイトに記事によれば、米国CDCの統計で、既存の季節性インフルエンザやその合併症による米国の死者は毎年平均して36000人程度おり、今年も1月からすでに13000人に達している。世界中で見れば死者の数は毎年二十五万人から五十万人にも達する。米国だけでも毎週800人以上の人が従来のインフルエンザで亡くなっているわけだから、単純な比較はできないものの、まだ米国内で死者を出していない(その後1名死亡が確認されたが)新型インフルエンザの脅威はこれに比べれば、まだかなり低いだろう。もちろん、今後、より強い毒性を持つような変異を起こす可能性はあるだろうが、「未知」であるということのみが独り歩きして、過剰な反応を引き出してしまっているようにも思える。逆の言い方をすれば、そもそも新型以前にインフルエンザという病気自体がそのような多数の死者を出す、恐ろしい病気だということだ。
日本からWHOの会合に参加した専門家へのインタビューでは、今後米国、メキシコ以外の国で二次的な感染拡大(つまりメキシコからの帰国者から他の人への感染)が発生した場合、WHOがレベル5を宣言する可能性に言及していたが、そのあとで、今回の新型インフルエンザは毒性が低いとみられており、パンデミックが発生しても、被害は比較的少ないのではないかという見解も添えられていた。このニュースは、これらがすべて放送されていたメディアと前半部分のみを簡単に報じたメディアに分かれた。
米国系のメディアでは、CNNは比較的冷静な報道で、さまざまな情報をうまく整理して報道している印象だ。ABCは見出しはかなりセンセーショナル、ただ内容は比較的バランスがとれていると思う。英国のBBCも比較的バランスがとれた報道ぶりだ。これらに比べて、日本のメディアは細切れ報道が多く、なかなかまとまった情報が得にくい。そういう意味では、視聴者が、いろんなメディアを比較してみないと全体像がつかみにくい状態にあると思う。
ちょっと気になったのが、NHK BSで放送されたABCニュースの同時通訳で、米国で数十人の死者が発生したととれる表現があったこと。ABCのニュースを原語でチェックしてみたら、この数十人は、死者ではなく感染確認者のことだった。同時通訳が追い付かず、間の文が一部抜け落ちてしまったことが原因だと思うが、内容が内容だけにちょっと気になった。訂正などはなかった模様だ。
メキシコでは死者150人あまりのうち、まだ新型インフルエンザの感染が確実になったのは26名どまり。一方1500人あまりの重症者に対し、感染が疑われる患者全体は2500人余りに増加しているようだ。また、4月上旬時点で5歳の子供が感染していたことが明らかになり、この子が最初の感染者ではないかと考えられている。子供が住んでいる村の近くには米国系の企業が経営する養豚場があり、以前から環境汚染が問題にされていたようだ。この企業は関連を否定している。
現在、人から人への感染が確認されているのはメキシコと米国NYの高校生のケース。メキシコからの帰国者の感染が確認されている国はカナダ、ニュージーランド、スペイン、イギリス、イスラエルなど。ドイツ、コスタリカでも確認されたという情報もある。その他、ヨーロッパ、アジアなどの数カ国が疑いのある患者をかかえて確認中。感染者の数はまだ増加しつつある。ただ、メキシコ以外では現在のところ死者は出ていないとの報道だったが、その後、米国で2歳くらいの子供が死亡したという情報が入った。メキシコ以外での死者ははじめて。「米国で感染が深刻化している」と報じた日本メディアもあるのだが、「深刻化」の意味は先の話にてらして慎重にとらえたほうがよさそうだ。
CNNのニュースサイトで、各国の感染者数や対応状況をまとめた記事が掲載されている。
米国ではSNSサイトなどで憶測や不正確な情報による混乱が発生しているという。我々も、できるだけ多くのソースから情報を集めて比較、検討してみる必要があるのかもしれない。なぜこんなことを言うのか、それは、今回のレベルで大騒ぎしてしまうことで、より高いレベルの脅威、たとえばH5N1型の鳥インフルエンザの変異などが起きたときに、甘く見てしまう人が出かねないと思うからだ。
それはさておき、ちょっと昼寝した後で、夕方の散歩に出た。いつもの公園あたり、そろそろ傾いてきた日差しに照らされたみなとみらい方面を遠景を眺めながら、30分ほど歩いてから、夕食を買いだして帰宅した。今日もきれいな夕日が沈んでいった。
追記:4月30日AM7;00
スペインでの拡大が進んでいるようだ。今朝のニュースで、メキシコ帰国者の女性のボーイフレンドが感染したという話が流れていた。国内感染が確認されたのは米国に次いで2例目。WHOの基準だとレベル5宣言が検討されるレベルで、さっそくWHOはレベル5宣言を出したようだ。。昨夜のニュースによれば、今回のインフルエンザの潜伏期間は1日から4日程度のようで、メキシコからの帰国者の発症は、下火になっていくと思われるが、二次感染対策が今後は主体になっていくのかもしれない。日本ではまだ感染例が確認されていないが、ほかの病気や既存のインフルエンザ、風邪などの予防も兼ねて、うがいや手洗いを励行したほうがよさそうだ。国際的な人の流れがより制限されることにもなり、経済的な影響も気になるところだ。
コメントする