某総理が、昨日、日本経済についてそうのたもうたらしい。
「悪い悪いと騒ぐから余計に悪くなる」という人はたしかに多いが、そういう人に限って、生活実感としての不景気を感じていない人だったりする。
日本が1番に回復できる・・・・という話も、日本の経済構造をちゃんと理解しているのか・・・と疑問になる。日本経済を支えている主要な産業は多くが外需、特に米国依存だ。こうした産業の回復は米国の経済回復なしにはありえないだろう。企業業績はリストラで黒字化できたとしても、そのために多くの雇用が失われる。つまり、今の日本経済の体質からいえば、悪化が遅れるかわりに回復も遅れると見るのが妥当だろう。つまり、いまの状態はもう一段悪くなる可能性が高く、回復は米国、中国、EUなどが回復したあと・・・というのが最も悲観的だが現実的な見方じゃないかと思う。
本当に早期回復させたいなら、経済を内需体質に変えていくしかないのだが、そのためには相当抜本的なことをやらなければならない。単に一時的に給付金をばらまいたり、一時的な雇用(その多くが契約労働者など一時的雇用)しか生み出さない道路工事などの公共事業ではなく、長期的な雇用を生み出すような新しい事業の立ち上げを支援することが、回り道のようで、実は近道なのではないか。
たとえば、食料自給率を上げるための農業の大規模化、環境対策のための事業、新エネルギー開発事業などだ。今の日本の縦割り行政は、改革という面では保守的すぎるようだ。となれば、政治主導で進めるしかないのだが、首相の発言を聞いている限り、今の政権にはこうした政策を総合的に考えられるブレーンはいなさそうだ。そんな状態で、政治が表に出るとかえって状況は悪化しかねない。
なんとなく寒さが身にしみる冬である。
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