4月5日頃から、個人アドレスにエラーメールが大量に届くようになった。この現象は私だけではなく、しばらく前から時々、知っている人たちの間でも話題になっている。原因はおそらくスパムメール業者(今はもう犯罪組織なんかの収益源になっているようなので)のシステム(=ボットネット)が、収集したアドレスを宛先だけではなく、発信元偽装にも悪用し始めたからのようだ。ウイルスがこのような挙動をすることはよく知られていて、大量メール送信型ウイルスが蔓延した際も同様の現象が見られるのだが、送られてきたエラーメールを見る限りにおいては、これはスパムが原因のようである。
さて、このようなスパムの横行は、メールシステムを危うくしかねないと危惧している。なぜなら、こうしたエラーメールは通常のエラーメールとは区別できないため、一律にフィルタすることが難しいからだ。スパム自体はフィルタされてもエラーメールを下手にフィルタしてしまうと、たとえばメールアドレスを間違えて届かなかった・・・というたぐいのエラーが受信できず「送ったつもりで安心してしまう」ことによるトラブルが懸念されるからだ。それよりもなによりも、自分のメールアドレスを発信元に使ってスパムを送られていることは不快であるばかりでなく、こうした事情を知らない人たちから誤解を受ける可能性もある。
ただでさえ、昨今のスパムは手が込んできていて、フィルタしにくい内容が増えているように思う。従来なら単純なベイジアンフィルタで十分だったのだが、最近のスパムは、フィルタされにくいような表現が多くなっている上、これを下手にスパムフィルタに学習させてしまうと、正常なメールを誤ってフィルタしてしまいかねない危惧もある。そこで、最近は学習させるものも選んでいるのが実情だ。
ネット規制には原則的に反対だが、一方でなんらかの取り締まりをやらないとネット自体が崩壊してしまうのではないかという危惧も持っている。悩ましい限りだ。
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