自民党の連立政権打診を民主が蹴った。
以前、参院選で民主党が圧勝した際にも書いたのだが、これは当然の話だし、そんなことを打診する自民党はいまだに自分たちが置かれた状況を理解できていないらしい。衆参逆転といういわば拮抗状態にある2党、しかも、片や追い風、片や逆風の状況にあっては、逆風側からの連立打診など蹴られて当然だ。まして、国民から見れば、民意無視にもうつる、まったくもってふざけた話だと思う。最近、ほころびも目立つ民主党だが、さすがにこの一線は守ったようだ。国政を停滞させている、という自民側からの批判は、その原因が自分たちにあることを忘れている、という点で空虚だ。それどころか、その根本原因にフタをして、政界だけでカタをつけてしまおうという発想がなにより国民を小馬鹿にしていると思う。
正直、民意無視の巨大政権ができてしまう、などという悪夢が回避できて、胸をなで下ろしている。
その後の自民党の反応を見ていたら、なんとなくこれは自民党の策略のような気がしてきた。まぁ、たしかに大連立といった話は、うまくいけば保守派の(というよりも私には戦前懐古派とうつるが)悲願である憲法9条の改悪だって出来てしまうのだが、さりとて次の選挙ではおそらく骨肉の争いと国民の批判で相当のダメージを受けかねないリスクもある。それよりも、一枚岩にはほど遠い、寄り合い所帯の民主党を連立提案というショックで揺さぶってがたつかせるのがねらいだったのだとしたら、それは少なからず成功を収めたことになる。恐るべし政治謀略だ。しかし、国民はまたしても蚊帳の外。次の選挙まで拳を握りしめて待つほかはないのだろうか。