いまどきの銀行ローン

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電車の車内広告でローンといえばサラ金と相場は決まっていたのだけど、最近、銀行ローンの広告を見かけるようになった。金利の低さ(といっても、6%~12%あたり)が際だつのだけど、よ~く読んでみて、なるほど・・・と思った。小さい文字で書かれている部分を読んでみると、延滞利息は21%ちょっと、まぁ、サラ金は29%くらい取るからこれも安いかなと思って次を見たら、保証人不要とある・・。銀行でそんなのアリ?と思って次を読むと、なるほど、保証はその銀行が抱え込んだサラ金業者が受け持つらしい。

つまりは、こういう仕組みのようだ。これまで銀行はリスクを避けるために優良(というよりは、そもそも、家でも買わない限りは金なんて借りなくてもいいくらいの安定した)顧客しか相手にしてこなかった。これは裏を返して言えば、個人なんかまともに相手にせず法人主体の営業をしてきたのだと言える。だから、土日はきちんと休む。(笑)(個人を相手にしてるサラ金はちゃんと土日も営業してる)そんな銀行が個人ローンを低金利で、しかも保証人もなしでやれるのは、リスク部分を子飼いのサラ金が受け持つからである。つまり、銀行本体は、もし貸した相手が払えなくなれば、サラ金に肩代わりさせ、そこから先はサラ金が取り立てる、というわけだ。もちろんこれは推測だが、そんなに外れてはいないだろうと思う。

どうやら銀行はサラ金の上前をはねるだけでは飽きたらず、看板までサラ金に貸して金にしようと考えているらしい。審査の甘辛がどの程度かはわからないけれど、サラ金と同程度に甘くしても、銀行は痛くもかゆくもないのだから、貸してくれるからと後先考えずに借りたら結局、サラ金地獄(少なくとも同じくらいの地獄)におちるハメになるのだ。

サラ金の上限金利が下がったせいで、審査はある程度厳しくなった。もう、貸し倒れそうな相手に貸す余裕はなくなっているのだろうが、その一方で貸し倒れにはならないまでも無限返済に近い状態になってしまう債務者は増えていきそうな気がする。利払いが精一杯になるぎりぎりまで貸し付けるサラ金のやりかたは健在なのではないだろうか。そして、銀行がその看板を貸し出し、借り手の警戒心をゆるめてしまうとしたら・・・。なんとなく恐い話のような気がする。

たとえ相手が大銀行であっても、借りられるからといって安易な借金はしないほうがいい。

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このページは、風見鶏が2007年10月 7日 00:50に書いた記事です。

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