今週末の選挙を控えて、「逆風」の政権党と「追い風」の野党。あんまり、「逆風」を強調しすぎると、逆に政権党側は危機感から締め付けが強まって、蓋をあけてみたら・・・なんてこともこれまで何度かあったから、野党も油断は禁物。
野党の一部は足の引っ張り合いも・・・・。左派党のいう、政権党と野党第一党は、所詮は「同じ穴のムジナ」であるという主張は、一理はある。旧社会党を取り込んだとはいえ、元々政権党にいた連中も多い。だから結局のところ、どっちが政権についても、左派からみれば「反動的」政権には違いないのかもしれない。
ただ、この二党が張り合う構図には、それなりに意味がある。張り合っている限りにおいては、争点を誇張するために保守対リベラルの構図に頼らざるをえないのだから。政権党が保守的になればなるほど、野党はリベラルな主張を前面に出さざるをえなくなる。力が拮抗すればなおさらだ。拮抗している限りにおいて、大合同はありえないだろう。なぜなら、閣僚ポストも党のポストも限られるから、それを二大政党で分け合うなんて構図には、権力欲旺盛な政治家たちの性として、なり得ないはずだ。むしろ恐いのは、一方が弱体化し、相手に吸収されること。こうなると、片方はふくれあがり、実質的に独裁体制ができあがってしまう。それだけは避けたい。政権が時々移動するような環境においては、政権党と野党側にある程度の共通項が必要になるだろう。政権が変わることですべての政策が激変してしまうと影響が大きすぎる。ある意味「同じ穴のムジナ」であることは必要かもしれない。ただ、それらが微妙に主張を変えながら拮抗していることで、健全な牽制関係が成り立つから、互いに批判されるような極端な政策は取りにくくなるはずだ。
衆議院で与党が圧勝して以降、本音丸出しの政治家がキナくさい発言を繰り返している。今回の選挙では、「調子に乗るなよ」という警告をたたきつけたいところだ。
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