4月1日に見る夢・・・

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サプライズな地震に見舞われた地域からそんなに遠くないところで私は育った。もう郷里を離れて30年以上になるが、あのころはまだ空気が澄んでいて、雪国故にたまにしかない冬の晴れた夜には、降るような星空を飽きもせずに見上げたものである。

そんな私の夢は、あの星まで行くこと。そんな途方もないことを、ついつい考えさせてしまう魔力が、あの夜空にはあった。最初は、ロケットを作ろうと工学系を志し、しかし、光速の壁という障害を知ってからは、それを破るべく、物理学を志した。

青春を謳歌する誘惑に負け、道半ばにして物理学者への道は諦めざるをえなかったが、いまやかなわぬ夢となったとはいえ、まだ完全に忘れてしまった訳ではなかった。

そしてついに、その夢が叶うかもしれないという情報を得たのだ。ある事情から、その情報の出所は明らかにできない。しかし、それはいずれ明らかになるだろう。

私が4つの次元と格闘していた頃、科学はすでに。はるかに多い次元と格闘していた。10次元とも11次元とも言われる最新の理論は、もはや凡人の頭で思い描けるものではなくなっている。しかし、私はこうした理論に常々疑問を感じてきた。いや、疑問というは、いまや私の理解を超えたその理論の中身に対してではなく、なぜ我々がその11次元で構成されていながら、3次元と不確実な次の1次元以外は、認知できないのだろうという素直なものだ。

もしかしたら我々は11次元を司る「神」に7次元の感覚を封じられ、4次元の牢獄に閉じこめられた存在なのだろうか。いや、我々の世界をつないでいる4つの次元以外の7次元は、眼に見える4次元座標の各点に固定されて、コンパクトに折りたたまれた、大きさのない次元であるがゆえに、互いに独立しており認知できないのだろうか。いや、しかし4次元の座標系だけで説明できない力(相互作用)があるから、残りの次元が必要になったのだと考えれば、残りの次元のいくつかは、完全に独立したものではなかろう。たとえば、この4次元空間のすべての点の裏側は、すべて1点(ただし7つの次元が重ね合わされた)に重なっているのだとしたら。ビッグバンは、我々の知る4次元で最初に起こり、残りの7次元は取り残された。そして、そこには時間すら存在しない。

不確定性原理を念頭に置くならば、1点というのは大きさゼロではない。少なくともプランクの定数で表される微少な分布を持った広がりである。そこには明らかに7次元の空間があり、我々は、その体を構成する素粒子の一個にいたるまで、その次元に根をおろしている。想像することは難しいが7次元側からみれば、逆に、我々の4次元のほうが、小さく折りたたまれた薄皮に見えるのかもしれない。この薄皮のすべての点の間の距離を11次元で測れば、限りなくゼロに近い。だから、もしこの7次元を通過できるのならば、我々の4次元空間のいかなる場所、時間へも、瞬時に移動できることになる。しかし、残念ながらタイムマシンは無理だ。時間は我々の観念上の記憶と結びついて認知されるが、ある存在が過去、現在、未来にわたって連続体(つまり時間軸上に大きさを持つもの)として存在するわけではない。つまり、我々の存在は時間軸上の大きさはゼロ(に限りなく近い大きさ=薄皮)なのだ。従って、過去へ戻っても、そこには何も存在しない。また、未来にも何も存在しない。今、この瞬間にしか我々は存在しないのだ。従って、過去に行こうが、未来に行こうが、因果律に影響を与えることはない。いわゆるタイムマシンのパラドックスは存在しないわけだ。もちろん、ここでいうタイムマシンはSFに登場するような代物とはかなり異なるのだが。

ただし、ここまでは、いわば素粒子単位の話だ。最小の単位と言われるクォークは、そのままの形で自由にこの空間をくぐり抜けられる。しかし、たとえばもっと大規模な構造を維持したまま、空間転移させることは簡単ではない・・・。一旦、ゼロに近い大きさに圧縮され、それがまた元のサイズに戻る際、ごくわずかな揺らぎでもあれば、原子、分子レベルでバラバラにされてしまうだろうからだ。いわば究極のブラックホールを通り抜けるわけだ。無事ですむはずはない。残念ながら、現在の人類の知見をもって、この問題を解決することはできないのだ。

では、なぜ遠い星まで行く方法があると言うのか・・・。それは、我々の知識ではないからだ。ほら、結局UFOネタか!、などと思わずに聞いてほしい。コンパクトな7次元を、物質が通過することは困難だ。しかし、情報はどうだろう。素粒子や一部の相互作用はこの7次元に出入りできる。ということは、情報伝達ならばできる可能性がある・・・ということだ。もちろん、見えている部分だけでも半径百数十億光年もあるこの宇宙全体が集約された、限りなく1点に近い空間に集まる情報は膨大だ。その中から特定の情報をピックアップすることは不可能にも見える。実は、この方法はすでに存在するのだ。スペクトラム拡散通信方式というのをご存じだろうか。そう、もともとは軍事通信を妨害電波や敵の盗聴から守るために考え出されたものだが、いまでは、無線LANなど、民生用にも使われている技術だ。この考え方が超光速通信に応用できることが発見されたのは、まったく偶然だった。たまたま、この通信方式の実験を行っていたアマチュア無線家が発射した試験電波に対して、同じパターンで返信があったのだ。当然、疑問が生じる。そもそも電波は光の速度でしか飛ばない。その無線通信への応答がなぜ銀河をまたにかけた超光速通信であるのだろう・・・と。しかし、そもそも我々は電磁波の存在の一面しか見ていないのかもしれない。無線通信が、我々の4次元だけではなく隠れた7次元のスペクトルも持っていたとしたらどうだろうか。しかし、それは凝縮され、また伸張されることで、無限に近い広がり(正確にはプランク定数の逆数程度の)を持つため、これまでは微少なノイズとしてしか認識されなかったのである。しかし、スペクトラム拡散通信は、その無限に近い帯域の中の十分に広い帯域を使って、特定のパターンで通信を識別できる。超光速通信が可能だとすれば、この方式以外にはないだろう。そのアマチュア無線家は、しばらく後に行方不明になった。この事実を知った、ある秘密機関に拉致されてしまったのだ。そして、それから10年の時間が過ぎた。秘密機関は、既に複数の宇宙文明とのファーストコンタクトに成功している。そして、超光速航行の基本的なデザインを入手したらしい。ただ、これを実現するために、いくつかのテクノロジーがまだ足りないようだ。しかし、それも遠からず入手できるだろう。

私が書けるのはここまでだ。これ以上は、あなたたちの想像力を働かせてみてほしい。遠い星と行き来できる時代は案外近くに来ているのかもしれない。

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このページは、風見鶏が2007年4月 1日 23:35に書いた記事です。

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