3日間会場を歩きまわって、結構、足腰に来てる私。
今回の展示会を総括してみれば、全体的にネタの出尽くし感があるのかなといったところ。画期的な実用新技術、といったものはもう皆無に近く、既存技術の組み合わせまたはブラッシュアップがほとんどで、ニッチな要素技術がぱらぱら・・・といったところ。流れ的には、SOXとか個人情報保護がらみの影響か、Identity Management関連と、情報漏洩対策関連が比較的多かった。当然、これらの領域は大手ベンダのカバーレンジに入っているのだけれど、まだ、多少、工夫の余地があるので、そこらあたりでみんなが競っている感じ。Identity管理関係では、従来のAAAサーバ(Radiusなど)に、CISCO NAC, MS NAPあたりとの連携を入れて検疫的な機能を持たせたものや、ACLなどの操作でN/Wレベルでアクセス制御ができるものなどがいくつか見られた。情報漏洩対策では、情報をマーキングして、その複製や移動をトレースしたり、メールやWebなどからの流出をチェックするような形が主流。情報の特定方法、とくにコピペのような派生情報の特定が各社の技術の見せ所のようだ。文書のアクセス制御を行うようなソリューションもこれまでいくつか見てきたが、いずれもキワモノ的な感じ。この領域ではAdobeがPDFなどをベースにしてやっている方法が最もよさげに見えた。
UTMは「猫も杓子も」といった感じだが、どうみても、"Unified" ではなく "Multiple" でしかない製品ばかり。ちょっとこの言葉をあまり一人歩きさせたくないな、と思った。本来なら、"Defense in depth" という意味合いで、たとえば新しいマルウエアに対して、Firewall, AV, IPS, AntiSPAMなどの機能が「有機的に」連携して防御するという形が正しいUTMだと思うのだが、どうみても世のUTMは「オールイン・ワンファイアウォール」の再来に過ぎないように思える。個人的にはあまり面白くないなと思う。
新しい分野としては、セキュリティやコンプライアンスリスクの可視化とリアルタイムな評価を行うようなものがちらほら出ている。完成度やカバー範囲はまちまちだが、中にはなかなか良くできたものもあった。但し、こうした製品を「有り難い」と思うのは、EXCELなんかを振り回してのデータ整理と文書化に苦労してきたユーザなので、まだまだ、こうしたマネジメントという意味で苦労と経験が足りない日本のユーザの気持ちがそちらに向くには、もうしばらく時間がかかりそうに思う。
こんな仕事を何年かやってると、展示会で知り合いに会うことも多くなった。これもまたコンファレンスめぐりの楽しみの一つかもしれない。さて、明日は帰国。今夜はちょっとゆっくりしよう。
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そういえば、今日のTVは、アンナ・ニコル・スミスがホテルで意識不明で発見され、死んだというニュースでもちきり。日本でも報道されているけど、マリリンモンローの再来とも言われた元プレイメイトの死は、これもまたモンローと重なって謎を呼んでいるようだ。
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