著作権保護と利便性

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今日の日経の記事

http://www.nikkei.co.jp/news/main/20060730AT3S2900K29072006.html

現在、コピー制限されているデジタル放送の制限を緩和することを政府が検討してるというもの。最近、HDDレコーダーを使い出してからとみに思うことだが、本当にここまでの制限が必要なのだろうかということだ。HDDに撮った内容がDVDなどに保存できないから、HDDが一杯になると消すしかない。「移動」機能を持つ機種もあるが、対応機種など制限がきついし、放送によってはそれもできないものがある。

知的財産権保護は国際的な流れではある。業界団体は野放しのコピーによる被害額を算定しているが、はたしてこうした規制によってその金額分の市場ができるのか、といえば極めて疑問だ。むしろ、有料放送や有料コンテンツを視聴したり買う、という魅力を削いで市場を小さくしてしまう結果に陥るのではないかと危惧する。著作権保護は網掛け的な規制よりも、個別に違反者を叩く地道な活動が必要だと思う。

こうした傾向は、投資家を気にするコンテンツ事業者(の経営者)による知財戦略という側面がある。企業の競争力を確保するという意味では投資家の注目度も大きいからだ。しかし、短期的な利益を求める投資家ばかりを見て市場を見ない動きは逆に中長期的に自分の首をしめかねない。どうバランスを取るかは経営者の重要な課題だろう。

こう考えていて、なんとなくこれもセキュリティの世界と似ていると思い始めてきた。規制するのはよいが、それがビジネスを阻害してしまえば元も子もない。もちろん、社会的責任という意味合いからの個人情報保護などは必要だが、それをふまえた上で、バランスの取れた対策が必要だ。経営者が考えるべきことはどんどん増えていく。大変な仕事だとは思うが、それが、彼らがもらっている給料の価値なのだろう。給料分の働きをしてほしいものだと思う。

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このページは、風見鶏が2006年7月30日 11:22に書いた記事です。

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