Winnyによる情報漏洩事故があいついだ警察が「禁止令」を出したそうだ。単純に聞くと、遅かりしとはいえ、悪いことではないように思う。しかし、私物PCでの使用も禁止・・・とは、しかも私物PCで「仕事は禁止」しておいての上である。私物で仕事をしないのだったら、入れようが入れまいが個人の自由じゃないのか・・・と思ってしまうのだが、これも一種の過剰反応なのかもしれない。
個人情報保護法にしてもそうだが、「よくわからない」「何か起きたら大変」という状況が重なると、必ずと言っていいほど過剰反応がおきる。逆に言うなら「適切な」対応のさじ加減がわからないのが原因。セキュリティ対策全般に起きうる話だ。過剰投資や「窮屈すぎる」ポリシーなどの原因になる。これを放っておくと何がおきるかは自明である。しばらく何もおきないと、窮屈さの故に、逆に「大丈夫だろう・・・」という勝手な判断が生まれ、そのうちポリシー自体が骨抜きになってしまう。結局、それじゃなんにもならない。対策はあくまで、それが必要であるという根拠となるリスクをきちんと特定してピンポイントで講じていくのが本来の姿じゃないかと私は思う。なかなか難しいのが現実かも知れないが、社会的に重要な役割を担う組織ほど、それが専門の部門をきちんとおいて、常にそうしたことを考えていくべきなのだろう。
これからも事件がおきるたびに、こうした過剰反応が出てきそうだが、ハタからそれだけを見ていると、物事の本質がわからなくなってしまうことも多い。過剰な対策だけが一人歩きしないよう願いたいものだ。
#後日コメント
警察庁長官のコメントからすると、「禁止令」の背景には Winny 作者逮捕の一件があるよう。違法な疑いのあるソフトを使うな、という意味合いも強いような感じなので、「過剰反応」とも言い切れないかもしれない。ただそういう事情を抜きに「禁止令」が一人歩きして他に過剰反応を誘発するのも困るけど。忘れては困るのは、情報流出の原因はwinny というよりも、 Antinny だということ。これは、winnyの善し悪しとはまた別の話。この議論はわけてやってほしい。しかし、情報流出が騒がれ出してからwinny接続数がまた増えたとか。火事場見物か・・・。日本人の野次馬根性は健在のようだ。火事を見に行って火傷をしないように願いたいものである。
官房長官のコメント依頼、個人PCでの利用自粛令を出す会社も増えてるみたい・・・。
うーん、なんだかな~。
知ってる会社では自粛要請・・・ってなかんじでソフトタッチなんだけどねぇ。ちょっと違うような気もする・・・