この半年ほど暖めてきた近未来SF小説「迷いの森の亡霊」を公開します。 まだ、全体は書き下ろしている最中ですが、順次、掲載していきます。 本業の合間の執筆のため、完結するまでに、かなり時間がかかると思いますが、 気長に読んでやってください。:-)
小説のテーマは、インターネットの未来形なのですが、これは、現状の水準からしても、 容易に想像できるものです。むしろ、現在の延長上に必ず存在するものであると言っても、 過言ではないでしょう。 インターネットを舞台に、技術者である主人公が巻き込まれるトラブルの数々。 そして、その周囲の人間模様などをうまく描いていければと思っています。 設定は、西暦2000年。もう手が届くところにあるようで、 しかし、まだまだ予測がつかない近未来です。
読み手の皆さんの立場は様々だと思います。 インターネット技術に通じた方は、現実のインターネット上での問題事例などともからめて、 技術的にあれこれ推理してみて下さい。もちろん、技術論に縁のない方も、 一つの読み物として楽しんでいただけたらと思います。
なお、このページの紹介、リンクは自由ですが、作品の無断転載や一部引用、あらゆる形の改編など、 著作権を侵害する行為は厳にお断りします。
ダイヤルアップのユーザーの方は、一度、自分のディスクにセーブしてから、読んでいただいたほうが、 課金や電話代を気にせず読めます。(笑)
(後日注:このコメントは1995年に書いたものです。)
第二部執筆にあたって
第一部を中途半端にしたまま、数年間放置してしまいました。そのうち、「近未来」だった想定も、すでに過去のものとなり、少々、書き直しが必要になってしまいました。ただ、95年当時に書き始めた頃、おそらく発生するであろうと考えていたそれと、ほとんど同じようなことが現実のものとなり、現代の情報化社会にひとつの影を投げかけているのもまた事実です。CodeRed Nimda Slammer Blaster Welchi こうした名前は、もうITの世界の住人ならば知らない人はいません。このようなコンピュータワーム、ウイルスは今後もより凶悪になり、コンピュータとネットワークにたよらざるをえない未来社会におけるひとつの深刻な脆弱性となっていくでしょう。
2003年の秋を迎え、Blaster/Welchi があらためて、こうした問題を投げかけたことを期に、再度、物語の続編を書くことにしました。
できれば、第一部を今から4〜5年後程度後に設定を変え、書き直したいところですが、それは後にして、続編を2008年という設定で書き始めます。もしかしたら、これもまた、なかなか前に進まない話になってしまうかもしれませんが、気長につきあってやってください。
2003年9月
P.S またしても設定を後ろにずらさないといけないかもしれませんね・・・・・。
太古より、森には不思議な伝説が多い。 森で道に迷って狐や狸に惑わされた話。はたまた、 妖精に道案内をしてもらったという話。 うっそうと茂る森には、人の心の中に潜む幾多の魑魅魍魎を解き放つ力があった。
やがて、人は森を失い、かわって人造のコンクリートの森を手に入れた。 狐や狸は寝ぐらを追われ、妖精は力を奪われた。 しかしコンクリートの森にも、得体の知れない魑魅魍魎たちが、確かにうごめいている。 人は、知らず知らずに、その得体の知れない物たちにとりつかれ、永遠の迷路に迷うのである。
そして、人は今、また新たな森を作り出そうとしている。
かつて、人は、宇宙という巨大な森を夢見た。 そこには無限の彼方まで広がる暗黒の空間と、未知の、しかし無限の可能性があった。 だが、半径たかだか7000キロの重力の井戸から、人は逃れることができずにいる。 その鬱憤からか、人は、新たな無限の空間を自ら創造したのである。 極微の素粒子の流れが作り出す仮想空間(サイバースペース)の迷路を。
第一部
第二部
*順次、続編を連載していきます。
この小説のご感想はメールにて owner@kazamidori.jp までお寄せ下さい。
Last Update: Jul. 22 2006